東京高等裁判所 平成10年(ネ)2595号 判決
主文
一 原判決中、控訴人に関する部分を次のとおり変更する。
二 被控訴人と控訴人とを離婚する。
三 被控訴人と控訴人との間の長男喬(昭和五五年六月三日生まれ)及び長女薫(昭和五八年七月二七日生まれ)の親権者をいずれも被控訴人と定める。
四 控訴人は、被控訴人に対し、財産分与として、金一〇〇〇万円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
五 被控訴人の慰謝料請求及び控訴人の慰謝料請求をいずれも棄却する。
六 訴訟費用は、第一、二審を通じて、これを二分し、その一を控訴人の負担とし、その余を被控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一当事者の求めた裁判
一 控訴の趣旨
1 原判決中、控訴人敗訴の部分を取り消す。
2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 控訴人と被控訴人とを離婚する。
4 被控訴人は、控訴人に対し、金六〇〇万円及びこれに対する平成九年八月二七日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
5 訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人の負担とする。
二 控訴の趣旨に対する答弁
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
第二事案の概要
本件の事案の概要は、原判決の「事実及び理由」欄の「第二 事案の概要」のとおりであるから、これを引用する。
第三当裁判所の判断
一 本件の事実関係
原判決の「事実及び理由」欄の「第三 判断」の一項(原判決三八頁九行目から五一頁三行目まで)のとおりであるから、これを引用する。
ただし、原判決三八頁一〇行目の「一四の1ないし14、」の次に「一五、」を加え、同一一行目の「一二、」の次に「一九、二〇、」を加え、同行の「被告太郎」を「被告太郎(原審及び当審)」と改める。
二 離婚について
1 一項において認定したとおり、控訴人は、武蔵病院に入院中に、被控訴人に対し、離婚を口にするようになり、また平成七年四月二一日に同病院を退院した後、被控訴人と子供を自宅に残して控訴人の実家に帰ったものである。
そして、当事者双方は、いずれも、相手方が悪意で遺棄したものであると主張しているので、右のような事態に至った原因について検討することにする。
2 控訴人は、原審及び当審本人尋問において、被控訴人が平成六年八月頃から離婚を口にするようになり、「離婚してやる。」と言っていた、その理由を聞いたが答えなかった、控訴人が交通事故に遭って入院したからであろうと思う、離婚の話は再三、再四あった、退院後、府中のマンションで生活しようと思っていたが、被控訴人から「身体障害者とは一緒に暮らせない。リハビリに連れていけない。」と言われたので、福島の実家に行きたいと考えて両親に頼んだ、と供述している。
また、控訴人は、<1> 外泊許可をもらって自宅に帰った平成七年一月にトイレから杖をついて出てきたところを娘の恵に杖を払われた、控訴人が注意したところ笑っていて謝らなかった、康はその場所に居て、笑っていた、<2> 平成六年一二月頃、武蔵病院の中で、車椅子に乗った控訴人を恵がかなりのスピードで階段のところまで押していって、「ぶっ殺す。」と言われた、控訴人が恵に注意したが反省した様子はなかった、<3> 夕食中に被控訴人から「離婚してやる。」と言われたとき、息子の康から「いないほうがせいせいする。」と言われた、<4> 病室にいるとき、恵から「豚の泣きまねをしてみろ。」とか「小象の泣きまねをしてみろ。」と言われ、さらに恵はベッドの脇の棚に乗って控訴人の腹部に頭突きをしようとしたので、控訴人は恐怖感を持った、と供述し、被控訴人は控訴人を捨てようと考え、子供たちもそれに加担することになったものである、と供述している。
そして、乙二、一九、二〇及び原審相被告甲野始の供述等も、控訴人から以上のとおり聞いている、というものである。
3 これに対し、甲一〇、一五(いずれも被控訴人の陳述書)及び被控訴人の原審本人尋問における供述は、控訴人が武蔵病院入院中に、控訴人の母親が居るときに、突然、「離婚だ。あと二か月だ、三か月だ。」というようなことをわめくようになった、被控訴人は離婚する気持はなかったし、離婚するなどと言ったこともない、控訴人は、退院の直前に「福島に帰ってリハビリする。」と言いだし、被控訴人は控訴人の気持を変えることができず、やむなくこれを許可したのであって、被控訴人らが控訴人を追い出したのではない、子供たちは控訴人の面倒を良くみていた、子供たちが控訴人に悪口を言ったり、乱暴をしたことはない、控訴人は、入院中、被害妄想にとらわれていたと思われる、というものである。
4 ところで、一項で認定したとおり、控訴人はヘルメットを着用せずに原動機付自転車を運転中、普通乗用自動車と衝突し、頭部を強打するなどして、事故直後に搬送された昭和病院において急性硬膜下血腫、脳挫傷との診断を受け、即日減圧血腫除去術を施行されたが、二週間程は意識が回復しなかったものであるから、交通事故による受傷が控訴人の脳機能ひいてはその判断能力に何らかの影響を与えた可能性があると考えられる。
そして、甲三の診断書(国立精神・神経センターの大仲医師の平成七年五月八日付け診断書)には、「高次脳機能障害。左側不注意+、前頭葉機能不全+、計算力+、総合的には、知識力や記憶力は保たれているにもかかわらず、それらを問題に合わせて適切に応用する能力が低下していると考えられる。」との記載がある。
また、甲八の中の控訴人が記入した「日常生活状況報告表」には、「一桁の加算は出来ますか」との質問に対しては「はい」との答えに○印をしているが、「二桁の加算は出来ますか」との質問に対しては「いいえ」との答えに○印をしている。なお、この報告書の記載年月日として「平成四年一二月一三日」と記入されているが、正しくは武蔵病院入院中の平成六年一二月一三日であろうと思われる。
さらに、甲八の中の福島県立リハビリテーション飯坂温泉病院藤原正敏医師の平成七年五月三一日付け診断書にも、「左片麻痺、右股関節痛軽度あり」との記載のほかに、「軽度の精神機能障害あり、機能訓練施行」との記載がある。
これらの証拠によれば、控訴人は交通事故による受傷のため、判断能力が低下しており、正常な事実認識とこれに基づく合理的な判断ができない状態にあったものと推認され、被控訴人の、控訴人には被害妄想の傾向があったとの陳述等は事実に合致するものと考えられる。子供たちの暴力や暴言があったとする控訴人の供述は、その内容自体現実性のない荒唐無稽のものであって、到底真実とは考えられないものであるが、これも控訴人の根拠のない思い込みであると考えざるを得ない。
そうすると、控訴人の供述を採用することはできず、被控訴人の陳述等が信用できるものというべきであるが、控訴人としては、その供述するように信じていたものと考えられる。
5 控訴人の、被控訴人が高額の財産を浪費ないし隠匿したとの主張に対する判断は、原判決の「事実及び理由」欄の「第三 判断」の二項の1、(二)、(2)(原判決五三頁七行目の「また」から五六頁三行目まで)のとおりであるから、これを引用する。
6 以上検討したところによれば、被控訴人が控訴人に対し、離婚をすると言いだしたとか、あるいは、同居もリハビリについての協力もしない旨述べたという事実は認められないから、被控訴人が控訴人を悪意で遺棄したということはできない。
また、控訴人は、突然、何ら合理的な原因もないのに、離婚をすると言いだして、一方的に福島の実家に帰ってしまったものと認められるが、これは、控訴人が交通事故による受傷のために正常な判断ができない状況下でとった言動であるから、これをもって被控訴人を悪意で遺棄したものと評価することはできない。
7 また、証拠(甲一一、一二、一四の1ないし14、一五、乙五、六、九、一一、二九、三二、被控訴人)及び弁論の全趣旨によれば、控訴人は平成七年四月二一日に武蔵病院を退院して福島の実家に帰り、被控訴人と子供は自宅に残ったが、平成八年三月二六日、被控訴人と子供は福島の被控訴人の実家に帰ったこと、控訴人は被控訴人に対し、平成七年四月以降現在まで、生活費として、同年五月に八万円、同年七月に一〇万円を送付しただけで、それ以外には生活費を送金せず、平成七年六月に、自動車を売却して生活費に充てるようにと通知したこと、三井海上は控訴人に対し、平成六年五月から平成七年一〇月までの一八か月間は休業損害として毎月四七万七九六〇円を支払い(平成七年一〇月以降は、被控訴人が損害賠償債権の仮差押えをしたため、保険金の支払いは停止された。)、平成六年一二月賞与の減額分として一一一万三一六五円を支払ったこと(以上合計九七一万六四四五円)、平成八年九月六日に自賠責保険から控訴人に対し後遺障害保険金として二八一四万円が支払われたこと、控訴人は平成八年三月末日をもって東邦生命を退職し、東邦生命は控訴人に対し、同年四月一日、退職金七一六万円から給与相当額仮払金未精算金等を控除した四六〇万九四五四円を支払ったこと、控訴人は、平成八年六月から、障害厚生年金として年額八三万四一〇〇円及び障害基礎年金(国民年金)として年額七八万五五〇〇円を受給するようになったこと、一方、被控訴人は平成八年一月から朝日生命で営業職員として勤務し、月額約九万円ないし一〇万円の給与収入を得ていること(平成八年の給与所得は二一一万三二一八円である。)、以上の事実が認められる。
右認定の事実によれば、平成七年四月以降、控訴人には相当額の収入があったのであるから、療養やリハビリのための出費が必要であったとしても、現実に支払った一八万円以上の生活費を支払うことは可能であったと考えられる。他方、被控訴人は、子供二人を養育していたのであるから、その給与収入は生活費を賄うには十分ではなかったことは明らかである。そうすると、控訴人は婚姻費用分担義務を履行しなかったものというべきであるが、これによって直ちに悪意の遺棄に当たるとまでいうことはできない。
8 しかし、前記認定のような経緯により、現時点においては当事者双方の婚姻関係は破綻しているものといわざるを得ない。当事者双方が、いずれも、離婚請求をしていることは、これを裏付けるものである。そして、その破綻については、当事者のいずれかに責任があるというものではない(控訴人が突然離婚をすると言いだして、福島に帰ってしまったのは、交通事故による受傷のために正常な判断ができず、何らかの誤解等に基づいて決断したものであろうと推認されるから、有責であるということはできない。)。
したがって、本件当事者間には、婚姻を継続し難い重大な事由があるというべきであり、各離婚請求は、いずれもこれを認容するのが相当である。
三 親権者について
以上述べたところによれば、離婚後の長男喬及び長女薫の親権者は、いずれも母親である被控訴人と定めるのが相当である。
四 慰謝料について
本件当事者間の婚姻関係の破綻は、そのいずれかに責任があるというものではなく、双方とも不法行為に基づく損害賠償責任を負うものではない。
各慰謝料の請求はいずれも理由がない。
五 財産分与について
1 退職金について
前記のとおり、控訴人は平成八年三月末日をもって東邦生命を退職し、退職金四六〇万九四五四円を受領している。
そして、甲一〇によれば、控訴人は、被控訴人との婚姻後に東邦生命に就職したことが認められる。控訴人と被控訴人の別居は平成七年四月であるから、控訴人の東邦生命への勤務のほぼ全期間、すなわち右退職金のほぼ全額について、被控訴人の妻としての寄与があるというべきである。
そして、右退職金が控訴人の生活費等に充てられたことを認めるに足りる証拠はないから、その全額が夫婦の協力によって形成された実質的共同財産として残存しており、清算的財産分与の対象となると解するのが相当である。
なお、乙三二によれば、未精算金等を控除する前の退職金七一六万円のうち、五〇〇万七三四〇円は特別退職一時金であって、本来ならば早期退職制度には該当しないが、退職優遇制度が適用されて支払われたものであることが認められる。しかし、この特別退職一時金も夫婦の実質的共同財産であることには変わりがないものと考えられ、これを財産分与の対象から除外する理由はない。
被控訴人の寄与の割合はほぼ五割とするのが相当であるから、控訴人は被控訴人に対し、退職金のうち二〇〇万円を分与すべきである。
2 年金について
前記のとおり、控訴人は、平成八年六月から、障害厚生年金及び国民年金の障害基礎年金を受給している。
しかし、障害厚生年金は、傷病により政令で定める障害等級に該当する程度の障害の状態にある場合に、その障害の程度に応じて支給されるものであり(厚生年金保険法四七条)、障害基礎年金も同様の性質の給付であるから(国民年金法三〇条)、控訴人がこれら年金を受給するについて、被控訴人の寄与があるということはできない。
したがって、これらの年金は財産分与の対象とはならないと解すべきである。
3 交通事故の賠償金について
証拠(甲一一、乙一一、一五、三〇、三一)によれば、本件事故の加害者は、三井海上との間で、対人無制限の任意保険契約を締結していたところ、控訴人は、本件事故後現在までに、自賠責保険から平成八年九月六日に後遺障害保険金二八一四万円の支払いを受け、そのほかに三井海上から一一四六万四五八〇円(その内訳は、治療費一五二万一七三一円、平成六年五月以降一八か月分の休業損害九七一万六四四五円、保護帽子代一二万円、短下肢装具代六万四九六〇円、肩装具代三万〇三四八円及び多点杖代一万一〇九六円である。)の支払いを受け、その総額は四七六五万七八五一円であること、三井海上は、控訴人に対し、平成九年一二月、示談の提案をしたが、その内容は、治療費、看護料、入院雑費、装具代、休業損害(一六五三万三一七七円)、後遺障害逸失利益(一億二一一六万六七五七円)、将来の介護料及び慰謝料(二三〇〇万円)の合計一億八七六八万五八一二円から過失相殺分三割と既払分四七六五万七八五一円を控除して、八三七二万二二一八円であること、控訴人は、平成一一年三月二五日、加害者らに対して損害賠償請求の訴訟を提起し、二億〇〇六六万〇二四二円の支払いを請求していること、その内訳は、入通院治療費、付添看護費、入院雑費、看護交通費、器具等購入費、症状固定日までの休業損害(一六五五万三一七七円)、後遺障害逸失利益(一億二八一〇万八四九三円)及び慰謝料(二九四〇万円)から既払分を控除し、弁護士費用相当額を加えたものであること、これに対し、加害者らは、損害については、器具等購入費を除いて全面的に争っており、三割の過失相殺をすべきであると主張していること、以上の事実が認められる。
ところで、控訴人の損害のうち、休業損害は、財産分与の対象になり得るものであるが、別居時点である平成七年四月までの休業損害として月額四七万七九六〇円、平成六年一二月の賞与減額分として一一一万三一六五円は既に支払われており、これらの支払いを受けた休業損害金が別居時点において残存していたことを認めるに足りる証拠はない。したがって、離婚に際してこれを清算する余地はない。
次に、後遺障害逸失利益は、症状固定日(乙三〇の訴状では、平成八年四月一五日であるとされている。)以後、将来の逸失利益であって、これについて被控訴人が寄与しているというものではないことは明らかである。 したがって、夫婦の協力によって形成された資産ではなく、財産分与の対象にはならないものである。
さらに、慰謝料も、控訴人固有の苦痛を慰謝する性質のものであって、これが財産分与の対象にはならないことは明らかである(なお、甲一一及び乙三一によれば、被控訴人は、加害者を被告として、平成七年に、控訴人の死にも比すべき傷害により近親者として慰謝料を請求するとして訴訟を提起して、慰謝料二一〇万円の支払いを受けたことが認められる。)。
その他の治療費、付添看護費、入院雑費、看護交通費及び器具等購入費は、現実の出捐に対応し、これを補填するものであって、財産分与の対象とはならないことは明らかである。
4 婚姻費用の清算について
前記認定のとおり、控訴人は婚姻費用分担義務を履行しておらず、被控訴人は、別居後過当に婚姻費用を負担してきたものというべきであるから、控訴人は、離婚に際して婚姻費用を清算すべきである。
そして、平成七年四月から当審口頭弁論終結時である平成一二年一月までの当事者双方の収入、生活状況等、すなわち、控訴人は少なくとも、この間、月額約四九万円の休業損害ないし逸失利益相当の金員を受領することになること(乙一五及び三〇によれば、控訴人も加害者も、休業損害及び逸失利益は、控訴人の平成五年の給与所得八三三万三六六九円に基づいて算出していることが認められ、これに三割の過失相殺をしたとしても、月額は約四九万円となる。)、被控訴人は平成八年一月以降は月額約九万円ないし一〇万円の給与を得ていること(ただし、平成八年の給与所得は約二一一万円となっている。)、控訴人及び子供二名の生活費として最低でも月額約二八万円を要すること(甲一二)、長男は平成一一年三月に東京の大学に進学し、長女も高等学校に進学したこと(甲一五)等の事実によれば、控訴人はこの間、一か月一五万円程度の婚姻費用を分担すべきであったと考えるのが相当である。
そこで、控訴人が重度の障害者であり、この間も療養やリハビリに相当額の費用を要したものと考えられ、現在係属中の損害賠償請求訴訟の結果、その補填が十分にされるかどうか不確定な要素があること、平成七年四月から当審口頭弁論終結時である平成一二年一月までの全期間の婚姻費用を財産分与として支払うべきであるとするのは相当ではなく、婚姻関係の破綻が決定的になった時点以降は、被控訴人としても経済的自立に努力すべきであること、控訴人は、この間、生活費として一八万円を支払っていること等を考慮して、一か月一五万円で全期間の五七か月で計算すれば総額八五五万円となるが、財産分与として考慮するのは七〇〇万円とすることとする。
5 離婚後の扶養等について
甲一二及び弁論の全趣旨によれば、被控訴人には何ら資産はなく、生命保険の外交員としての給与と両親からの経済的援助によって生活していることが認められる。したがって、その年齢(甲一によれば、昭和三四年生まれであることが認められる。)、職業、資産状況からすると、離婚後の生活には不安が残るといわざるを得ない。
しかし、控訴人も重度の障害者であり、収入としては、年金のほかには、これまでに受領し、あるいは今後受領する予定の損害賠償金があるだけであって、経済的な余裕があるとは考えられない。
そこで、これらの事情を勘案し、離婚後の扶養分として、一〇〇万円を分与すべきものとする。
また、子供二人の養育費分については、離婚までの養育費は婚姻費用の清算分の算定において考慮済みであり、離婚後の養育費は民法七六六条又は八七七条に基づいて控訴人に別途請求すべきものであり、財産分与に含めて請求することはできないと解される(離婚訴訟において、裁判所は、離婚請求を認容するに際し、申立により、子の監護に必要な事項として、離婚後子の監護をする当事者に対する監護費用の支払いを他方の当事者に命ずることができるが、本件においてはこの申立はない。)。したがって、本件における財産分与額の算定に当たっては、離婚後の養育費は考慮しない。
6 まとめ
以上のとおり、財産分与として合計一〇〇〇万円の支払いを命ずることにする。
第四結論
よって、原判決の控訴人敗訴の部分のうち、以上述べたところと結論を異にする部分を変更することとして、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 矢崎秀一 裁判官 原田敏章 裁判官 榮春彦)