大判例

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東京高等裁判所 平成10年(ネ)2773号 判決 1999年9月22日

横浜市<以下省略>

一審原告

X1(以下「一審原告X1」という。)

横浜市<以下省略>

一審原告

X2(以下「一審原告X2」という。)

横浜市<以下省略>

一審原告

株式会社X3(以下「一審原告会社」という。)

右代表者代表取締役

右三名訴訟代理人弁護士

小林俊行

飯田直久

東京都中央区<以下省略>

一審被告

国際証券株式会社(以下「一審被告」という。)

右代表者代表取締役

右訴訟代理人弁護士

松下照雄

鈴木信一

本杉明義

池田秀雄

雨宮啓

主文

一  一審原告らの控訴に基づき、原判決を次のとおり変更する。

1  一審被告は、一審原告X1に対し、金一七五四万〇七一四円及びこれに対する平成四年一一月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を、一審原告X2に対し、金五〇一万二二四〇円及びこれに対する右同日から支払済みまで年五分の割合による金員を、一審原告会社に対し、金五〇六万三三四四円及びこれに対する右同日から支払済みまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。

2  一審原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

二  一審被告の本件控訴をいずれも棄却する。

三  訴訟費用は、第一、二審を通じて、これを一〇分し、その六を一審被告の、その余を一審原告らの各負担とする。

四  この判決は、一1に限り、仮に執行することができる。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  一審原告らの控訴

1  一審原告ら

(一) 原判決を次のとおり変更する。

一審被告は、一審原告X1に対して二八五六万七八五七円、一審原告X2に対して一〇二七万五〇三四円、一審原告会社に対して一〇一二万六六八九円及びこれらに対する平成四年一一月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。

(二) 訴訟費用は、第一、二審とも、一審被告の負担とする。

2  一審被告

(一) 一審原告らの本件控訴をいずれも棄却する。

(二) 控訴費用は、一審原告らの負担とする。

二  一審被告の控訴

1  一審被告

(一) 原判決中一審被告敗訴部分を取り消す。

(二) 一審原告らの請求をいずれも棄却する。

(三) 訴訟費用は、第一、二審とも、一審原告らの負担とする。

2  一審原告ら

主文二と同旨

第二当事者の主張

当事者の主張は、原判決三九頁八行目の「概略的に」を「、すなわち、①ワラントが新株引受権証券であり、値動きが株価に連動してより大きく動くこと(ハイリスク・ハイリターンであること)及び②権利行使期間経過後は経済的に無価値になることの二点を」と改め、同一〇行目の次に行を改めて次のとおり加えるほかは、原判決の「第二 事案の概要」に記載のとおりであるから、これをここに引用する。

「4 一審原告らは、平成二年一二月二五日以降のCとの交渉において、Cの平成元年一二月末から平成二年三月末までの間の売付指示違反を主張し、その当時の時価への回復を再三要求するのみであり、これに対して、Cは、損失補填を拒絶し続けたのである。このことから、本件請求の実質は説明義務違反による損害賠償請求ではなく、株式相場の下落に伴う投資損失の責任を証券会社に転嫁する違法な損失補填要求であることが明らかである。」

第三証拠

本件記録中の書証目録及び証人等目録に記載のとおりであるから、これをここに引用する。

理由

一  当裁判所は、一審原告らの本件各請求は、主文で認容した限度で理由があるものと判断する。その理由は、次のとおり訂正し、付加し、又は削除するほかは、原判決の「第三 争点に対する裁判所の判断」に記載のとおりであるから、これをここに引用する。

1  原判決四一頁一〇行目から同一一行目にかけての「a専門学校」を「a専門学園」と改める。

2  原判決四五頁四行目の「署名欄の上に」を「署名欄の下に不動文字で」と改める。

3  原判決五六頁二行目の「原告X1と」を「一審原告X2に対するのと」と改める。

4  原判決六四頁二行目の「Cを」の次に「疑念を抱きつつも一応」を加える。

5  原判決六七頁一行目の「二」の次に「、乙四」を加える。

6  原判決七六頁一〇行目の「平成元年」を「平成二年」と改める。

7  原判決八〇頁六行目の「二一日」を「二七日」と改める。

8  原判決八三頁二行目から同三行目にかけての「経過後は無価値になる」を「がある」と改める。

9  原判決九〇頁一行目の「であるから」の次に「、特別の事情がない限り」を加える。

10  原判決九二頁一〇行目の「十分ではなく」の次に「、かつ、ワラント取引の経験はないのであるから」を加える。

11  原判決九四頁四行目の「乏しく」の次に「、まして、ワラント取引の経験はないのであるから」を加える。

12  原判決一〇〇頁九行目から同一〇行目にかけての「用いたり」から同一一行目の「述べる」までを「用いる」と改める。

13  原判決一〇一頁一行目から同二行目にかけての「必ずしも」を削り、同六行目の「説明は」の次に「極めて」を加える。

14  原判決一〇三頁五行目末尾の次に「一審被告は、一審原告らの本件請求の実質が株式相場下落に伴う投資損失の責任を証券会社に転嫁する損失補填要求であると主張するが、右説示したところから、これを採用することはできない。」を加える。

15  原判決一〇五頁八行目の「平易な」を「分かり易く説明を受けて読めば理解することができるような」と、同九行目の「読めば、容易に」を「読んでCに具体的に質問をすれば」とそれぞれ改める。

16  原判決一〇七頁一一行目の「七割」を「五割」と、同行目の「五割」を「四割」とそれぞれ改める。

17  原判決一〇八頁二行目の「三割」を「五割」と、同行目から同三行目にかけての「二七〇万七三四四円」を「四五一万二二四〇円」と、同三行目の「三割」を「五割」と、同行目の「二七三万八〇〇六円」を「四五六万三三四四円」と、同四行目の「五割」を「六割」と、同行目から同五行目にかけての「一三二八万三九二八円」を「一五九四万〇七一四円」と、同九行目の「二七万円」を「五〇万円」と、同行目の「一三二万円」を「一六〇万円」とそれぞれ改める。

18  原判決一〇九頁二行目の「一四六〇万三九二八円」を「一七五四万〇七一四円」と、同行目から同三行目にかけての「二九七万七三四四円」を「五〇一万二二四〇円」と、同行目の「三〇〇万八〇〇六円」を「五〇六万三三四四円」とそれぞれ改める。

二  よって、当裁判所の右判断と異なる原判決を主文一のとおり変更し、一審被告の本件控訴は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 石井健吾 裁判官 加藤謙一 裁判官杉原則彦は、転補のため、署名押印することができない。裁判長裁判官 石井健吾)

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