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東京高等裁判所 平成10年(行ケ)182号 判決 1999年4月21日

岡山県倉敷市酒津1621番地

原告

株式会社クラレ

代表者代表取締役

松尾博人

訴訟代理人弁理士

辻邦夫

辻良子

東京都千代田区霞が関3丁目4番3号

被告

特許庁長官 伊佐山建志

指定代理人

川上義行

片寄武彦

後藤千恵子

小林和男

主文

特許庁が、平成9年異議第71699号事件について、平成10年4月23日にした特許異議の申立てについての決定のうち、特許第2543748号の請求項1ないし2に係る特許を取り消すとの部分を取り消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由

第1  当事者の求めた判決

1  原告

主文と同旨

2  被告

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

第2  当事者間に争いのない事実

1  特許庁における手続の経緯

原告は、昭和63年6月28日、名称を「偏光フィルム及びその製造法」とする発明(以下「本願特許発明」という。)につき、特許出願をし(特願昭63-160361号)、平成8年7月25日に特許(特許第2543748号)の設定登録を受けた。

訴外日本合成化学工業株式会社は、平成9年4月15日、本願特許発明について、特許異議の申立てをしたところ、原告は、平成9年8月28日、同発明について訂正請求をした(以下「本件訂正」という。)。

特許庁は、上記異議の申立てを、平成9年異議第71699号事件として審理した上、平成10年4月23日、「訂正を認める。特許第2543748号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。特許第2543748号の請求項3ないし5に係る特許を維持する。」との決定(以下「本件決定」という。)をし、その謄本は、同年5月18日、原告に送達された。

2(1)  本件訂正前の本願特許発明の特許請求の範囲請求項1に記載された発明(以下「本件発明1」という。)の要旨

ポリビニルアルコールの一軸延伸フィルムを基材とし、沃素又は二色性色素を偏光素子とする偏光フィルムにおいて、ポリビニルアルコールが少なくとも2500の重合度を有するポリビニルアルコールであることを特徴とする偏光フィルム。

(2)  本件訂正前の本願特許発明の特許請求の範囲請求項2に記載された発明(以下「本件発明2」という。)の要旨

ポリビニルアルコールがけん化度99モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルム。

3(1)  本件訂正後の本願特許発明の特許請求の範囲請求項1に記載された発明(以下「訂正後発明1」という。)の要旨

ポリビニルアルコールの一軸延伸フィルムを基材とし、沃素又は二色性色素を偏光素子とする偏光フィルムにおいて、ポリビニルアルコールが少なくとも3250の重合度を有し且つカチオン基を有していないポリビニルアルコールであることを特徴とする偏光フィルム。

(2)  本件訂正前の本願特許発明の特許請求の範囲請求項2に記載された発明(以下「訂正後発明2」という。)の要旨

ポリビニルアルコールがけん化度99モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルム。

4  本件決定の理由

本件決定は、別添決定書写し記載のとおり、訂正後発明1及び2が、C.A.Finch,"Polyvinyl Alchol"(1973)John Wiley Sons Ltd.,p.497,501,503(以下「引用例」という。)に記載された発明(以下「引用例発明」という。)から、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、訂正後発明1及び2とする訂正請求は、同法120条の4第3項で準用する同法126条4項の規定に適合しないので、これに係る本件訂正は認められず、したがって、本件発明1及び2は、引用例発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同法29条2項の規定に違反してなされたものであり、同法113条2号に該当し、特許を取り消すべきものであるとした。

第3  原告主張の取消事由の要点

本件決定の理由中、本件発明1及び2の要旨の認定、訂正後発明1及び2の要旨の認定、引用例の記載事項の認定は、いずれも認める。

本件決定は、引用例発明を誤認する(取消事由1)とともに、訂正後発明1及び2と引用例発明との相違点を看過し(取消事由2)、訂正後発明1及び2の顕著な作用効果を看過した(取消事由3)ものであるから、違法として取り消されなければならない。

1  引用例発明の誤認(取消事由1)

本件決定が、訂正後発明1及び2におけるポリビニルアルコール(以下「PVA」という。)の「3250の重合度」をJISK6726に定められた試験法(以下「JIS試験法」といい、JIS試験法により求められる平均重合度を「JIS重合度PA」という。)によって測定されたものであると認定した(決定書4頁14~17行)ことは認める。しかし、引用例記載の「重量平均分子量が1.7×105~2.5×105」(同3頁18~19行)との数値について、「引用例に記載の光学的用途に用いられるポリビニルアルコールの重量平均分子量Mwについても、・・・JISK6726に定められた試験法によって測定されたものとみるのが相当である。」(同4頁17行~5頁3行)と認定したことは誤りである。

すなわち、技術文献である「JISポリビニルアルコール試験方法」(甲第7号証)には、PVAに係るJIS重合度PAの求め方が記載されているが、「重量平均分子量」、「重量平均分子量Mw」、「Mw」などの語句は記載されておらず、まして、PVAの重量平均分子量の求め方は記載されていない。このように、PVAの重量平均分子量MwとPVAのJIS重合度PAが、互いに異なる測定法や計算式により求められる別異の分子量指標であることは技術常識である。

しかも、PVAの重量平均分子量Mwに、公式の求め方はなく、光散乱法で重量平均分子量Mwを求める場合も、技術者により測定条件(実験条件)が相違し、重量平均分子量Mwの算出式や値が異なる場合が多い。

しかるに、引用例には、「重量平均分子量Mw=1.7×105~2.5×105」の根拠となる測定方法や条件は記載されておらず、単に、重量平均分子量Mwの数値として、「1.7×105~2.5×105」が記載されているだけであるから、その実体的な内容は不明であり、かつ、当該数値と、粘度平均分子量MvやJIS重合度PA等、他の平均分子量や平均重合度との関係も不明である。

要するに、本件決定は、JIS重合度PAとは異なる分子量指標であって、しかも内容不明の「PVAの重量平均分子量Mw=1.7×105~2.5×105」のみを引用し、この数値が、JIS試験法で測定されたものであると誤認したものである。

2  相違点の看過(取消事由2)

訂正後発明1及び2におけるPVAは、超高粘度品に属する「少なくとも3250のJIS重合度PA」のPVAであるのに対し、引用例発明におけるPVAは、JIS重合度PAが、2000~2400程度、高くても2700程度の高粘度PVAであり、本件決定は、この相違点を看過している。

3  作用効果の看過(取消事由3)

訂正後発明1及び2は、偏光フィルムへの使用が公知でない「JIS重合度PAが少なくとも3250である超高粘度(超高重合度)PVA」を、偏光フィルムに用いることによって、従来の偏光フィルムに比べ、高い偏光度及び良好な光透過性を有し、かつ、耐熱性及び耐湿熱性に優れ、高温・高湿下に曝されても、高い偏光度と良好な透過度を保持することのできる、商品価値の高い偏光フィルムを提供するものである。

しかるに、本件決定は、上記作用効果について何ら検討することなく、訂正後発明1及び2が、引用例発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたとしたものであって、訂正後発明1及び2が奏する顕著な作用効果を看過したものである。

第4  被告の主張

本件決定が、「引用例記載のPVAの重量平均分子量MwがJIS試験法によって測定されたものである。」と認定したことは誤りであるとする、原告主張の取消事由1については争わない。

第5  当裁判所の判断

1  取消事由1(引用例発明の誤認)について

本件決定の理由中、本件発明1及び2の要旨の認定、訂正後発明1及び2の要旨の認定、引用例の記載事項の認定は、いずれも当事者間に争いがない。

また、訂正後発明1及び2におけるPVAの「3250の重合度」がJIS試験法によって測定されたものである(決定書4頁14~17行)こと、引用例記載の「重量平均分子量が1.7×105~2.5×105」(同3頁18~19行)との数値について、本件決定が、「JISK6726に定められた試験法によって測定されたものとみるのが相当である。」(同5頁1~3行)と認定したことが誤りであることも、当事者間に争いがない。

そうすると、引用例発明における上記数値が、JIS試験法によって測定されたものであることを前提として、引用例発明から訂正後発明1及び2が容易に推考できたとする本件決定の判断が誤りであることは明らかである。

2  以上のとおり、本件決定は、引用例発明の認定を誤り、その結果、訂正後発明1及び2との対比・判断をも誤ったものであって、このことが本件決定の結論に重大な影響を及ぼすことは明らかであるから、その余の原告主張の取消事由について検討するまでもなく、本件決定は取消しを免れない。

よって、原告の本訴請求は理由があるから、これを認容することとし、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 田中康久 裁判官 石原直樹 裁判官 清水節)

平成9年異議第71699号

特許異議の申立てについての決定

岡山県倉敷市酒津1621番地

特許権者 株式会社クラレ

東京都千代田区内神田1丁目12番12号 美土代ビル 辻特許事務所

代理人弁理士 辻良子

東京都千代田区内神田1-12-12 美土代ビル 辻特許事務所

代理人弁理士 辻邦夫

大阪府大阪市北区野崎町9番6号

特許異議申立人 日本合成化学工業株式会社

大阪府大阪市淀川区西中島6丁目7番3号 第6新大阪ビル1102号 大石特許事務所

代理人弁理士 大石征郎

特許第2543748号「偏光フイルム及びその製造法」の請求項1ないし5に係る特許について、次のとおり決定する。

結論

訂正を認める。

特許第2543748号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。

特許第2543748号の請求項3ないし5に係る特許を維持する。

理由

1.手続の経緯

特許第2543748号の請求項1~5に係わる発明は、昭和63年6月28日に特許出願され、平成8年7月25日にその特許権の設定登録がなされ、その後、日本合成化学工業株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成9年8月28日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断

(訂正請求の趣旨)

訂正請求は、特許請求の範囲の減縮、不明瞭な記載の釈明および誤記の訂正を目的としたものである。

請求項1~2に係わる発明について

訂正明細書の請求項1~2に係わる発明は、その特許請求の範囲に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「<1>ポリビニルアルコールの一軸延伸フィルムを基材とし、沃素又は二色性色素を偏光素子とする偏光フィルムにおいて、ポリビニルアルコールが少なくとも3250の重合度を有し且つカチオン基を有していないポリビニルアルコールであることを特徴とする偏光フィルム。

<2>ポリビニルアルコールがけん化度99モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルム。」

(引用刊行物)

訂正明細書の請求項1~2に係わる発明に対して、当審が通知した訂正拒絶理由に引用された引用例(C.A.Finch,"Polyvinyl Alchol"(1973)John Wiley Sons Ltd.,p.497,501,503)の第503頁第28~34行には、ポリビニルアルコールの一軸延伸フィルムを基材とし、沃素を偏光素子とする偏光フィルムが、また、同497頁第10~17行には、光学的用途に用いられるポリビニルアルコールが100%加水分解され(ケン化度100%に同じ)、重量平均分子量が1.7×105~2.5×105であることが、更に、同501頁第14~15行には、ポリビニルナルコールの最も重要な光学的な用途の一つに偏光シートの製造があることが記載されている。

(対比・判断)

本件特許明細書および引用例には、ポリビニルアルコールの重合度または重量平均分子量Mwの測定法や算出法が示唆ないし記載されていない。しかし、ケン化度の高いポリビニルアルコールにおいては、分子の会合が生じてポリビニルアルコール水溶液が不安定であり、光散乱法によって分子量を測定することが困難であるという技術的背景、更に、ポリビニルアルコールの試験法として、JISK6726に定められた試験法が日本のみならず世界的にも認知された試験法であるという実状からみて、本件請求項1~2のポリビニルアルコールの平均重合度は、溶液粘度法、即ち、JISK6726に定められた試験法に基づくものであるとする権利者の見解は妥当なものと解される。一方、引用例に記載の光学的用途に用いられるポリビニルアルコールの重量平均分子量Mwについても、100%加水分解(ケン化)されているものである以上、同様な見地から、溶液粘度法、即ち、JISK6726に定められた試験法によって測定されたものとみるのが相当である。したがって、引用例に記載された各記載事項を組み合わせて本件請求項1あるいは2に係わる発明のように構成してみることは当業者が容易に想到し得るとした訂正拒絶理由の判断は妥当なものである。

(むすび)

以上のとおりであるから、訂正明細書の請求項1~2に係わる発明は、上記引用例記載の事項から当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、請求項1~2についての訂正請求は、特許法第120条の4第3項で準用する同法第126条第4項の規定に適合しないので、訂正は認められない。

請求項3~5に係わる発明について

訂正明細書の請求項3~5に係わる発明は、その特許請求の範囲に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「<3>少なくとも3250の重合度を有し且つカチオン基を有していないポリビニルアルコールを濃度が2~35重量%になるように溶剤に溶解し、得られたポリビニルアルコール溶液からフィルムを形成し、得られたフィルムを一軸延伸して延伸フィルムを得るに際し、延伸に先立つ任意の工程、延伸工程、あるいは延伸後の任意の工程において偏光素子として沃素又は二色性色素を含有させることを特徴とする偏光フィルムの製造方法。

<4>延伸後のフィルムを熱処理する請求項3に記載の偏光フィルムの製造法。

<5>ポリビニルアルコールがけん化度99モル%以上であることを特徴とする請求項3に記載の偏光フィルムの製造法。」

(引用刊行物)

訂正明細書の請求項3~5に係わる発明に対して、当審が通知した取消理由で引用した引用例1は、当審が通知した訂正拒絶理由に引用された引用例(C.A.Finch,"Polyvinyl Alchol" (1973)John Wiley Sons Ltd.,p.497,501,503)と同一の刊行物であって前記のように記載され、引用例2(特開昭56-48601号公報)には、ポリビニルアルコールの延伸フィルムを基材とし沃素を偏光素子とする偏光フィルム、ポリビニルアルコールの平均重合度が900~2600であることが記載され、また、引用例3(特開昭60-230606号公報)には、分子内にカチオン基を含有する変成ポリビルアルコールからなるポリビニルアルコール系フィルムを二色性染料で染色した偏光膜、該変成ポリビニルアルコール系フィルムのケン化度が60~100%、重合度は100~6000の範囲が好ましいこと、延伸後該ポリビニルアルコール系フィルムを熱処理すること、延伸は一方向に4倍延伸する(実施例1)こと、が記載されている。

(対比・判断)

請求項3~5に係わる発明について

本件請求項3~5に係わる発明と当審の取消理由で引用した上記引用例記載の事項とを対比すると、該引用例の何れにも、本件請求項3~5に係わる発明の共通の構成要件である「偏光フィルムの製造法において、少なくとも3250の重合度を有し且つカチオン基を有していないポリビニルアルコールを濃度が2~35重量%になるように溶剤に溶解する」点が記載されていない。また、それらを組み合わせてみてもその構成を導き出すことはできない。

したがって、本件請求項3~5に記載された発明は、上記各引用例に記載された発明であるとも、また、それらから容易に想到し得るものとも認められない。

(むすび)

以上のとおり、請求項3~5についての訂正は、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。したがって、その訂正請求は、特許法第120条の4第2項および同条第3項で準用する第126条第2~4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議申し立てについての判断

(本件発明)

本件請求項1~5に係わる発明は、特許明細書の記載からみて、それぞれ、特許請求の範囲の請求項1~5に記載された次の事項によって特定されるとおりのものと認める。

「<1>ポリビニルアルコールの一軸延伸フィルムを基材とし、沃素又は二色性色素を偏光素子とする偏光フィルムにおいて、ポリビニルアルコールが少なくとも3250の重合度を有し且つカチオン基を有していないポリビニルアルコールであることを特徴とする偏光フィルム。

<2>ポリビニルアルコールがけん化度99モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルム。

<3>少なくとも3250の重合度を有し且つカチオン基を有していないポリビニルアルコールを濃度が2~35重量%になるように溶剤に溶解し、得られたポリビニルアルコール溶液からフィルムを形成し、得られたフィルムを、一軸延伸して延伸フィルムを得るに際し、延伸に先立つ任意の工程、延伸工程、あるいは延伸後の任意の工程において偏光素子として沃素又は二色性色素を含有させることを特徴とする偏光フィルムの製造方法。

<4>延伸後のフィルムを熱処理する請求項3に記載の偏光フィルムの製造法。

<5>ポリビニルアルコールがけん化度99モル%以上であることを特徴とする請求項3に記載の偏光フィルムの製造法。」

(取消理由通知の概要)

本件請求項1~5に係わる発明は、引用例1、2あるいは3に記載された事項ないし発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1~5に係わる特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号に該当する。

(引用例記載の発明)

当審が通知した取消理由に引用された引用例1、引用例2および引用例3には、前記「訂正の適否」の項において示したとおりの事項ないし発明が記載されいる。

(対比・判断)

請求項1~2に係わる発明について

前記「訂正の適否についての判断」の項で記載したとおり、引用例1に記載された記載事項から当業者が容易に発明し得る程度のことゝ認められる。

請求項3~5に係わる発明について

前記「訂正の適否についての判断」の項で記載したとおり、引用例1、引用例2および引用例3に記載された発明であるとも、また、それらから容易に想到し得るものとも認められない。

4.むすび

以上のとおりであるから、本件請求項1~2に係わる発明は引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。したがって、本件請求項1~2に係わる特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第2号に該当し、特許を取り消すべきものである。

また、本件請求項3~5に係わる発明については、他に取消理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

平成10年4月23日

審判長特許庁審判官 (略)

特許庁審判官 (略)

特許庁審判官 (略)

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