東京高等裁判所 平成11年(ネ)5820号 判決
(原審・東京地方裁判所八王子支部 平成8年(ワ)第1496号〔甲事件〕、同第1497号〔乙事件〕)
控訴人(甲事件被告) 有限会社ナガオカ
右代表者代表取締役 長岡光栄
控訴人(乙事件被告) 有限会社永樂苑
右代表者取締役 長岡光栄
右両名訴訟代理人弁護士 馬場榮次
同 福澤武文
被控訴人(各事件原告) 長岡光明
右訴訟代理人弁護士 浅見昭一
同 浅見雄輔
主文
一 本件控訴をいずれも棄却する。
二 控訴費用は、控訴人らの負担とする。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人の各請求を棄却する。
3 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 控訴の趣旨に対する答弁
主文と同旨。
第二当事者の主張
当事者の主張は、次のように加除訂正するほかは、原判決の「事実」の「第二 当事者の主張」記載のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決四頁四行目の「被告ナガオカ」を「控訴人有限会社ナガオカ(以下『控訴人ナガオカ』という。)」に訂正し、同七行目末尾に続けて「なお、控訴人ナガオカは、平成八年三月二一日、資本金を三〇〇万円に増資したが、これにより、被控訴人及び光栄の出資持分は、いずれも一五〇〇口となった。」を加え、同八行目の「被告所有の土地は一時第三者に」を「控訴人ナガオカ所有の土地を第三者に一時」に訂正し、同九行目の「賃料収入」の次に「を得ている」を加え、同一一行目の「亡父の意思」を「亡父長岡少郷(以下『少郷』という。)の意志」に訂正する。
2 原判決五頁一行目の「永樂苑への出資金も二分の一」を「控訴人有限会社永樂苑(以下『永樂苑』という。)への出資金も二分の一ずつ」に、同六行目の「同五年一一月六日、」を「同年一一月六日、控訴人」にそれぞれ訂正し、同一一行目の「振るい、」の次に「控訴人」を加える。
3 原判決六頁一行目の「原告の妻」の次に「長岡」を加え、同二行目の「障害を与え」を「傷害を負わせ」に訂正し、同六行目の「原告は」の次に「、控訴人」を、同行目の「また」の次に「、被控訴人及び光栄共有の土地について」をそれぞれ加える。
4 原判決七頁九行目の「したものである」の次に「が、それでも設立後五年くらいは菓子の小売りをしていた」を加える。
5 原判決八頁一行目の「出資持分や」の次に「被控訴人及び光栄の各」を加える。
6 原判決一〇頁一行目の次に改行して「6 控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑には、『会社の業務の執行上著しき難局に逢着し会社に回復すべからざる損害を生じ又は生ずる虞あるとき』との有限会社の解散判決の要件は存在しない。すなわち、控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑は、本件訴訟が提起されて以後も、被控訴人により単独で経営され、何ら問題なく営業されており、解散の請求などされなければ、何ら問題が発生しないのであって、むしろ、控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑が解散することによって、従業員のみならず、オーナーである被控訴人及び光栄らが損害を被ることになるのである。」を加え、同六行目の「三〇〇〇口を」を「三〇〇〇口の」に、同七行目の「亡長岡少郷」から同九行目の「設立した」までを「少郷と母長岡弓子(以下「弓子」という。)らによって、資本金一五〇万円の有限会社として設立された」に同一〇行目及び同一一行目の各「亡父」をいずれも「少郷」にそれぞれ訂正する。
7 原判決一一頁五行目の「被告」を「控訴人永樂苑」に、同九行目の「同五年」を「同年」に、同一〇行目の「永樂苑は原告、ナガオカは光栄」を「控訴人永樂苑は被控訴人、控訴人ナガオカは光栄」にそれぞれ訂正する。
8 原判決一二頁二行目及び同六行目の各「被告」をいずれも「控訴人永樂苑」に、同八行目の「資本金は」を「資本金を」にそれぞれ訂正する。
9 原判決一三頁二行目から三行目にかけての「被告」を「控訴人永樂苑」に同六行目の「同年六月」を「同月」に、同七行目から同八行目にかけての「同月二一日」を「同日」に、同九行目の「与えた」を「負わせた」にそれぞれ訂正する。
10 原判決一五頁四行目の「概ね」を削り、同八行目の「亡父と母」を「少郷と母長岡弓子」に訂正する。
11 原判決一六頁五行目の「被告」を「控訴人永樂苑」に訂正する。
12 原判決一七頁三行目冒頭から同五行目末尾までを削る。
理由
一 当裁判所も、被控訴人の請求をいずれも認容すべきであると判断する。その理由は、以下のとおり加除訂正するほかは、原判決の「理由」記載のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決一九頁九行目の「被告が」を「控訴人永樂苑が」に訂正する。
2 原判決二〇頁五行目の「五ないし」の次に「一六、一七の1・2、」を加え、同七行目の「邦蓉」を「邦容」に訂正し、同九行目の「六丁目で」の次に「中華料理店を経営し、その後、昭和三六年頃から、右中華料理店の一階で」を加え、同一〇行目の「中華料理店を経営し」を「同市原町田四丁目の借地において」に訂正する。
3 原判決二一頁五行目の「取得して」の次に「、同所に」を加え、同八行目の「原告及び光栄とも相談して」を「右建物及び借地を楊存儀と半々に分けたうえ、原告及び光栄とも相談して、少郷の取得した建物及び借地部分において」に訂正し、同一〇行目の「昭和三九年頃」の次に「、当時所有していた」を加え、同一一行目から同二二頁一行目にかけての「には少郷」を「において」に訂正する。
4 原判決二二頁一行目の「光栄らが」を「光栄らと」に訂正する。
5 原判決二四頁七行目の「同八年」を「平成七年」に訂正する。
6 原判決二五頁七行目の「平成八年八月一八日付書面」を「平成七年八月一八日付書面(乙三四)」に訂正する。
7 原判決二六頁一行目の「調整するため、」の次に「控訴人」を、同五行目冒頭に「他方、」をそれぞれ加え、同九行目の「と返答した。」を「旨の提案をしていたが、これに対し、」に訂正する。
8 原判決二七頁五行目の「邦蓉」を「邦容」に訂正する。
9 原判決二八頁二行目から三行目にかけての「邦蓉」を「邦容」に訂正する。
10 原判決三〇頁四行目の「光栄間において、」の次に「本件協定に基づいて控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑の分割ができるまで、」を、同六行目の「支払うことが」の次に「暫定的に」をそれぞれ加え、同七行目の「九日頃」を「七日頃」に訂正する。
11 原判決三三頁六行目の「は自己」を削り、同七行目の「要求しても」の次に「被控訴人が」を加える。
12 原判決三九頁一行目の「対立は」の次に「根深く、被控訴人と光栄とが協力して会社経営に当たることは期待できず、また、被控訴人と光栄との出資口数が各二分の一で全く同じであり、取締役も被控訴人と光栄の二人だけであるため、被控訴人と光栄のいずれか一方が主導権を握って控訴人永樂苑及び控訴人ナガオカを経営していくということも困難である。控訴人永樂苑及び控訴人ナガオカにおける右のような状態を解消するためには、解散決議、取締役の解任、出資持分の第三者への譲渡等が考えられるが、被控訴人と光栄の関係が険悪であることに加えて出資口数が同じであることを考慮すると、解散決議及び取締役の解任により事態を解決するのは事実上不可能であること、控訴人永樂苑及び控訴人ナガオカが同族企業であるうえ被控訴人と光栄との間に激しい対立がある現状にかんがみると出資持分の譲渡可能性も低いこと等を考慮すると、被控訴人と光栄との利害を調整するには」を加え、同一一行目の「被告は」を「控訴人らは、『控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑は、本件訴訟が提起されて以後も、被控訴人により単独で経営され、何ら問題なく営業されており、解散の請求などされなければ、何ら問題が発生しないのであって、むしろ、控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑が解散することによって、従業員のみならず、オーナーである被控訴人及び光栄らが損害を被ることになる』のであるから、」に訂正する。
13 原判決四〇頁一行目の「争うが、」の次に「光栄は、控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑の経営を無条件に被控訴人に委ねる意志はなく、本件協定に付随してされた、被控訴人と光栄の共有財産並びに控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑の各分割まで控訴人永樂苑から光栄に対し毎月二七五万円が暫定的に支払われるとの暫定的合意を根拠として、右金員が永続的に支払われる場合には控訴人永樂苑の経営に関与しない旨主張しているのであって、被控訴人が光栄に対し毎月二七五万円を永続的に支払う意志などなく、既に右支払を巡って紛争が生じている現状にかんがみれば、『控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑は、本件訴訟が提起されて以後も、被控訴人により単独で経営され、何ら問題なく営業されて』いるなどとは到底いえないのであって、控訴人らの主張はたやすく採用できないのみならず、控訴人らが、他に、」を加える。
14 原判決四一頁二行目の「解散」の次に「判決を得て、透明性のある公正な清算手続、例えば、税理士又は公認会計士等の中立公正な第三者の関与による控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑所有資産の換価、全くの第三者に対する資産の譲渡等により控訴人ナガオカ及び控訴人永樂苑を清算する」を加える。
二 よって、右と同旨の原判決は正当であり、本件控訴はいずれも理由がないから棄却することとし、控訴費用の負担につき民事訴訟法六七条一項、六一条、六五条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 塩崎勤 裁判官 小林正 裁判官 萩原秀紀)