大判例

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東京高等裁判所 平成12年(ネ)437号 判決

主文

一  本件各控訴をいずれも棄却する。

二  控訴費用は、控訴人らの負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

一  控訴人ら

1  原判決を取り消す。

2  控訴人金子一賢が被控訴人藤枝廣行に対して原判決別紙強制執行停止決定目録記載の強制執行停止を原因とする八五万五四八三円の損害賠償請求権を有することを確認する。

3  控訴人大井英夫が被控訴人藤枝廣行に対して原判決別紙強制執行停止決定目録記載の強制執行停止を原因とする一七一万〇九六七円の損害賠償請求権を有することを確認する。

4  控訴人金子一賢が被控訴人有住淑子に対して原判決別紙供託書目録記載の供託金のうち八五万五四八三円の供託金還付請求権を有することを確認する。

5  控訴人大井英夫が被控訴人有住淑子に対して原判決別紙供託書目録記載の供託金のうち一七一万〇九六七円の供託金還付請求権を有することを確認する。

6  訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人らの負担とする。

二  被控訴人ら

主文と同旨

第二当事者の主張

当事者の主張は、原判決事実摘示のとおりであるから、これをここに引用する。

第三証拠

証拠関係は、本件記録中の書証目録に記載のとおりであるから、これをここに引用する。

理由

一  当裁判所も、控訴人らの被控訴人有住に対する本件各訴えはいずれも不適法であり、被控訴人藤枝に対する本件各請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は、原判決一〇頁一一行目から同一二頁二行目までを次のとおり改めるほかは、原判決理由説示のとおりであるから、これをここに引用する。

「2 本案事件の判決(本件では、本案第一審判決)に基づく強制執行の停止の申立てに当たり債務者(担保提供義務者。本件では、被控訴人藤枝。以下同じ。)が金銭等を供託する方法によって立てる担保は、債権者(担保権利者。本件では、控訴人ら。以下同じ。)が債務者の執行停止の申立てに基づいてされた強制執行の停止決定(本件では、本件強制執行停止決定)により被る損害を担保するためのものであり、第三者(本件では、被控訴人有住)が債務者に代わっていわゆる第三者供託の方法によって担保を立てる場合でも、右担保の性質は何ら異なるものではなく、右いずれの場合にも、債権者は、債務者又は第三者が供託した供託金に対して還付請求権を行使することにより供託金の払渡しを受け、右強制執行の停止決定によって被った損害の全部又は一部の満足を受けることができる。そして、供託規則(昭和三四年法務省令第二号)二四条二号は、供託物の還付を受けようとする者は、供託物払渡請求書(同規則二二条)に「還付を受ける権利を有することを証する書面」を添付することを要すると規定しているが、ここに「還付を受ける権利を有することを証する書面」とは、債権者が債務者との間において当該供託金により担保される損害賠償請求権を有することを具体的に証する書面、すなわち、強制執行停止決定により生じた損害賠償請求権が特定して表示された債権者を原告、債務者を被告とする確定した債権者勝訴の給付判決若しくは確認判決又はこれと同一の効力を有する和解調書、調停調書、認諾調書等をいい、第三者供託がされた場合でも、これとは別に供託者である第三者を被告とする供託金還付請求権確認の確定判決等はこれを要しないものと解するのが相当である。したがって、本件において、控訴人らが本件供託金に対する還付請求権を行使するためには、控訴人らが本訴において被控訴人藤枝に対して訴求している控訴人らが同被控訴人に対して本件各損害賠償債権を有することを確認する旨の確定判決を得れば足り、それで必要かつ十分であって、被控訴人有住との間で控訴人らが本件各供託金還付請求権を有することを確認する旨の確定判決を得る必要はなく、また、仮にこれを得たところで、これは、控訴人らの被控訴人藤枝に対する本件各損害賠償債権の存在を確定するものではなく、控訴人らが本件供託金に対して還付請求権を行使するためには法律上何ら意味のあるものではないから、控訴人らの被控訴人有住に対する本件各訴えは、いずれも確認の利益を欠くものとして不適法であり、却下を免れない。」

二  よって、当裁判所の右判断と同旨の原判決は相当であり、本件各控訴はいずれも理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 石井健吾 裁判官 櫻井登美雄 裁判官 加藤謙一)

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