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東京高等裁判所 平成12年(行コ)183号 判決 2000年11月29日

控訴人

右訴訟代理人弁護士

大村金次郎

被控訴人

世田谷税務署長 本間昭平

右指定代理人

野下えみ

川上昌

伊藤秀行

鈴木敏昭

森光明

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は、控訴人の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人が控訴人に対して平成九年五月三〇日付けでした控訴人の平成八年分の所得税に係る過少申告加算税賦課決定を取り消す。

3  訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文と同旨

第二事案の概要

事案の概要は、次のとおり訂正し、又は付加するほかは、原判決の「第二 事案の概要」に記載のとおりであるから、これをここに引用する。

一  原判決四頁二行目の次に行を改めて次のとおり加える。

「 本件不動産は、控訴人が共同相続した東京都世田谷区成城宅地八六〇・六九平方メートル及び同地上に単独所有していた建物(以下、右土地建物を合わせて「相続不動産」という。)を昭和五九年中に他に売却し、右売却代金をもって買換え取得したものである。」

二  原判決一九頁八行目の「東京都」から同一〇行目の「書類」までを「相続不動産の売却に係る不動産売買契約書の写し(以下、これらの書類を「<1>の書類」、「<2>書類」などともいう。)であり、相続不動産の売却に係る収支関係を証する領収書等は、相続不動産が共有であったことから、控訴人は、これを所持しておらず、したがって、杉本調査官にもこれを提示していない。杉本調査官に提示した<1>ないし<7>の各書類」と改める。

三  原判決二〇頁三行目の「東京都」から同四行目の「)」までを「相続不動産」と改める。

四  原判決二八頁一〇行目の「<1>」から同二九頁二行目の「である。」までを「<1>ないし<4>の各書類及び金銭消費貸借契約書(契約当事者、金額等不詳。以下「<8>の書類」という。)であり、<5>ないし<7>の各書類は、含まれていない。」と、同六行目の「に対して」から同7行目の「金銭消費貸借契約書」までを「が<8>の書類(金銭消費貸借契約書)」とそれぞれ改める。

五  原判決三一頁九行目の「本件譲渡」から同一〇行目の「売買契約書等」までを「<1>ないし<4>及び<8>の各書類」と改める。

六  原判決三二頁五行目の「右二通の売買契約書」を「<1>及び<2>の各書類」と改める。

第三証拠

証拠関係は、本件記録中の書証目録及び証人等目録に記載のとおりであるから、これをここに引用する。

理由

一  当裁判所も、控訴人の本件請求は理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は、次のとおり訂正し、又は付加するほかは、原判決の「第三 当裁判所の判断」に記載のとおりであるから、これをここに引用する。

1  原判決三九頁三行目の「売買契約書」の次に「(<2>の書類)」を加える。

2  原判決四〇頁二行目の「売買契約書」の次に「(<1>の書類)」を、同三行目の「三通」の次に「(<4>の書類)」をそれぞれ加える。

3  原判決四五頁七行目の「の行為」から同一〇行目の「できず」までを「しなかったことは、後記の税務署の設営する税務相談の性格及びその機能に照らして違法・不当とすることはできず」と改める。

4  原判決四八頁二行目の「主張する」から同七行目末尾までを「主張する。しかし、証拠(乙二、四、証人杉本徳子)及び弁論の全趣旨によれば、世田谷税務署では、毎年、確定申告期限(毎年三月一五日)後、当該年分についてされた確定申告に係る多数の申告書の整理をし終えてからこれを内部資料と照合する事務処理を行っており、この過程で本件不動産が本件特例の適用を受けた買換資産であることが判明したこと、世田谷税務署には平成八年一一月までにKSKと証する納税者ごとの資産及びその動きの全国一律集中管理システムが導入され、これを利用すれば、資産の動きが直ちに判明するが、これには当該資産が買換資産であるか否かの情報は入力されておらず、買換資産であるか否かの確認は、従前同様部内にある物件ごとの管理資料と照合してするしかないことが認められ、右によれば、杉本調査官と控訴人との面接時ないしその後申告期限内に同調査官を含む被控訴人所部の職員が本件不動産が買換資産であることを確認できなかったことが違法・不当であるとすることはできない。」と改める。

二  よって、当裁判所の右判断と同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。

(口頭弁論終結の日 平成一二年九月二七日)

(裁判長裁判官 石井健吾 裁判官 櫻井登美雄 裁判官 永谷典雄)

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