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東京高等裁判所 平成14年(行ケ)558号 判決 2003年6月04日

原告

ダイセル化学工業株式会社

同訴訟代理人弁理士

三浦良和

被告

特許庁長官 太田信一郎

同指定代理人

石井良夫

米田健志

一色由美子

涌井幸一

主文

1  特許庁が異議2002‐70783号事件について平成14年9月10日にした決定を取り消す。

2  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

1  原告は,主文第1項と同旨の判決を求め,主文第1項記載の決定(以下「本件決定」という。)の対象となった特許(原告を特許権者とする特許第3212129号,以下「本件特許」という。)につき,特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認容する訂正審決が確定したから,本件決定は取り消されるべきである旨述べた。

2  本件特許につき,特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認容する訂正審決が確定したことは当事者間に争いがない。そうすると,本件決定は,結果として,判断の対象となるべき発明の要旨の認定を誤ったものとなり,この誤りが本件決定の結論に影響を及ぼすことは明らかである。

したがって,本件決定は取消しを免れない。

3  以上によれば,原告の本訴請求は理由があるから,これを認容することとし,また,訴訟費用については,本訴の経過にかんがみ,これを原告に負担させるのを相当と認め,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 北山元章 裁判官 青栁馨 裁判官 清水節)

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