東京高等裁判所 平成14年(行ケ)571号 判決 2003年1月20日
原告
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同訴訟代理人弁理士
藤盛道夫
同
熊谷繁
被告
特許庁長官 太田信一郎
主文
1 本件訴えを却下する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1原告の請求
特許庁が不服2002-2656号事件について平成14年9月17日にした審決を取り消す。
第2事案の概要
本件は、原告が、平成4年1月8日、発明の名称を「距離感のある音像を採取する集音装置および集音方法」とする発明につき特許出願(平成4年特許願第38896号)をしたところ、平成13年12月11日に拒絶査定を受けたので、平成14年1月9日に拒絶査定不服の審判を請求し(不服2002-2656号事件)、特許庁により平成14年9月17日に「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)がされたために、本件訴えを提起して本件審決の取消しを求めたものである。
第3当裁判所の判断
1 本件記録によれば、本件審決の謄本が原告に送達された日は、平成14年10月10日であり、原告が本件審決取消訴訟の訴状を当裁判所に宛てて郵送し、これが当裁判所に送達された日は、同年11月13日であることが明らかである。
2 ところで、審決取消しの訴えは、審決の謄本の送達があった日から30日を経過した後は提起することができない(特許法178条3項)ところ、上記1認定の事実によれば、本件訴えは、本件審決の謄本が原告に送達された平成14年10月10日から既に30日を経過した同年11月13日(上記期間の満了日は同月11日)に提起されたものと認められるから、出訴期間を経過して提起されたものといわざるを得ない。
3 以上によれば、本件訴えは不適法であり、その不備を補正することができないものであるから、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法140条を適用して、却下することとし、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 北山元章 裁判官 橋本英史 裁判官 絹川泰毅)