東京高等裁判所 平成14年(行コ)132号 判決 2002年9月24日
控訴人
株式会社A
同代表者代表取締役
甲
同訴訟代理人弁護士
宮本裕将
同訴訟復代理人弁護士
大塚由香
被控訴人
新潟税務署長
木村徹男
同指定代理人
浅香幹子
同
畑山茂樹
同
関野和宏
同
大庭明夫
主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1 被控訴人がした次の処分をいずれも取り消す。
(1) 平成10年2月3日付でした控訴人の平成7年5月1日から平成8年4月30日までの事業年度以降の法人税に係る青色申告の承認の取消処分
(2) 平成10年2月4日付でした控訴人の平成7年5月1日から平成8年4月30日までの事業年度の法人税の更正処分のうち所得金額1658万7956円、納付すべき税額791万5000円を超える部分及び重加算税の賦課決定処分
(3) 平成10年2月4日付でした控訴人の平成7年5月1日から平成8年4月30日までの課税期間の消費税の更正処分のうち課税標準額44億6979万2000円、納付すべき金額1566万3900円を超える部分及び重加算税の賦課決定処分
2 訴訟費用は、第1、第2審とも被控訴人の負担とする。
第2事案の概要
次のとおり付加、訂正、削除するほかは原判決事実及び理由欄の「第2 事案の概要」のとおりであるから、これを引用する。
1 原判決6頁18行目の「別表7」の前に「別表2の売上除外額欄並びに」を加え、同頁20行目から21行目にかけての「別表2の売上除外額欄並びに」を削除する。
2 同13頁25行目の「法令に基づきA、原告の」を「法令に基づき控訴人の」と改める。
3 同14頁25行目から26行目にかけての「売上予測は、10月までの月平均売上額を11月、12月分の2か月分として、プラスしたものである。」を「売上予測は、10月末現在の売上高に11月、12月分として10月までの月平均売上額の2か月分をプラスしたものである。」と改める。
4 同15頁23行目の「収入の部」の前に「これらの記載以外の」を加える。
5 同19頁24行目の「記帳会社」を「控訴人の記帳事務代行会社(以下「記帳会社」という。)」と、同20頁末行の「原告の記帳事務代行会社(以下「記帳会社」という。)」を「記帳会社」とそれぞれ改める。
6 同22頁19行目の「上記1」を「上記a」とそれぞれ改める。
第3争点に対する判断
1 当裁判所も、控訴人の本件請求は理由がなく、これを棄却すべきものと判断する。その理由は次のとおり付加、訂正、削除するほかは原判決事実及び理由欄の「第3 争点に対する判断」のとおりであるから、これを引用する。
(1) 原判決26頁7行目の「別表7」の前に「別表2の売上除外額欄並びに」を加え、同頁9行目の「別表2の売上除外額欄並びに」を削除する。
(2) 同37頁8行目の末尾の次に、「また、同年12月の控訴人の売上除外金額は256万4020円となる。」を加える。
(3) 同41頁16行目末尾を改行して、その次に次のとおり加える。
「 なお、控訴人は、青色申告の承認の取消処分である本件処分1が取り消されることを前提に、本件処分2ないし5に青色申告書に係る更正につき法人税法130条2項が定める更正の理由附記を欠いた違法がある旨の主張もするが、採用することができない。」
2 控訴人は、本件3資料は、丙が、自分の担当する店舗の従業員の志気を高めるため、あるいは同人が学習していたいわゆるイメージトレーニングである願望実現法の応用として売上を水増しして記載したものであり、本件現金については、丙や丁店長が突然の調査によって気が動転して矛盾した対応となったものであり、本件預金については、丙が、調査担当者の態度に憤慨したことなどから真実を述べることなく、本件訴訟で証言するまで知らないと言って通してきたものである旨、架空仕入れについては、控訴人内部の意思疎通が十分でなかったため、記帳会社が形式的に仕入れに関するデータをコンピューターに入力したものであって架空仕入れには当たらない旨などを主張するが、これらの主張がいずれも採用し難いことは、その主張内容自体に疑問があることや、原判決の該当部分の理由説示及び原判決の認定する本件の事実関係に照らして明らかである。また、本件3資料等に基づく原判決の売上除外金額についての認定判断に不合理的な点はなく、原判決のこの点の認定判断も相当であると認められる。
第4結論
よって、控訴人の本件請求を棄却した原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから、これを棄却し、控訴費用は控訴人に負担させることとして、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 矢崎秀一 裁判官 髙橋勝男 裁判官 木下秀樹)