東京高等裁判所 平成3年(ネ)4525号 判決 1992年7月15日
控訴人(債権者)
角田静子
同
石井充恵
同
渡辺みつ江
右訴訟代理人弁護士
関次郎
同
北川鑑一
同
伊藤俊克
被控訴人(債務者)
日本電信電話株式会社
右代表者代表取締役
児島仁
右訴訟代理人弁護士
太田恒久
同
石井妙子
同
寺前隆
主文
本件控訴をいずれも棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
事実
一 当事者の求めた裁判
1 控訴人ら
(一)原判決を取り消す。
(二)控訴人らが、被控訴人の木更津電報電話局番号情報営業課の従業員たる地位にあることを仮に定める。
(三)申請費用は、第一・二審とも被控訴人の負担とする。
2 被控訴人
本件控訴をいずれも棄却する。
二 当事者の主張
原判決「第二事案の概要及び第三本件仮処分の主要な争点」のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり補正する。
1 原判決四枚目裏七行目に「必要性があったか、<4>」(本誌五九九号<以下同じ>15頁4段14行目)とあるのを「必要性及び控訴人らの」と、同五枚目表二行目に「勤務場所」(15頁4段25行目)とあるのを「勤務局所」と、同六枚目裏五行目に「流動な」(16頁2段29行目)とあるのを「流動が」と改める。
2 同九枚目裏六行目「大貫駅」(17頁2段28行目)の次に「午前」を、同一〇枚目表三行目「不可能になる。」(17頁3段11行目)の次に「そして、今後このような勤務を命じられる可能性は十分ある。」を、同末行目「腕の」(17頁3段23行目)の前に「疲れた場合の」を加え、同九枚目裏八行目に「一七時(17頁3段1行目)とあるのを「午後五時」と、同一〇枚目裏五行目に「長時間の通勤時間」(17頁4段1~2行目)とあるのを「長時間通勤時間による疲労」と改める。
3 同一二枚目裏四行目「午前五時」(18頁2段14行目)の次に「前」を加え、同一三枚目裏三行目「一応」(18頁3段21行目)を「本件配置転換の有効性を争いながらも一応配置転換先の」と、同一四枚目表三行目に「諸規則」(18頁4段9行目)とあるのを「諸規定」と、同六行目及び同一〇行目に「勤務場所」(18頁4段17行目)とあるのを「勤務局所」と改める。
4 同一三枚目表一〇行目(18頁3段15行目)の次に改行のうえ「以上に述べたような本件配置転換に必要性がない等の事情に加えて控訴人らの個人的事情を総合的に考慮すると、本件配置転換は人事権の濫用であり無効である。」を加える。
5 同一四枚目表四行目(18頁4段13行目)の次に「控訴人らが雇用された当時の採用形態は、被控訴人の本社総裁室秘書課において全国要員として採用する「本社採用」と、各電気通信局長が同電気通信局(総支社の前身)管内に勤務させる要員を採用する「通信局採用」の二通りだけであり、被控訴人には控訴人らの主張する「現地採用」という採用形態は当時から現在に至るまで一切存在しないのであって、控訴人らはいずれも右「通信局採用」により採用されたものである。」を、同表九行目「問題である。」(18頁4段23行目)の次に「被控訴人は、電電公社として発足して以来、昭和六〇年三月末に至るまで一貫して各電報電話局に配属される係長以下の職員及び準職員について各電報電話局長名の辞令書を作成・交付しており、この取扱いは控訴人らに限ったものではない。」を加える。
6 同一六枚目裏末行目「集約」(19頁4段6行目)の前に「業務の」を、同一七枚目表二行目「図ることとしている。」(19頁4段10~11行目)の次に「本件配置転換は、右に述べた被控訴人の合理化に関する基本的な考え方を後記手動部門において展開したものであり、これに伴う要員配置の見直し計画に基づいて実施したものである。」を加える。
7 同二〇枚目裏一〇行目「大貫駅」(21頁1段17行目)の次に「午前」を加え、同行目「(又は四時五〇分)」を削除し、同末行目に「一七時一〇分」(21頁1段19行目)とあるのを「午後五時五八分」と、同行目に「一六時」(21頁1段20行目)とあるのを「午後四時」と、同二四枚目表九行目に「活動ができないなどの」(22頁1段30行目)とあるのを「活動ができず、その負担が夫に皴寄せされる」と改める。
三 証拠関係
原審及び当審記録中の各書証目録並びに原審記録中の証人等目録記載のとおりであるから、これを引用する(略)。
理由
一 当裁判所も、控訴人らの申立はいずれも理由がないとして却下すべきものと判断する。その理由は、原判決「第四争点に対する当裁判所の判断」説示のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり補正する。
1 原判決二五枚目表七行目「六三の一」(22頁2段13行目の(証拠略))の次に「八一」を、同行目「九三」(22頁2段13行目の(証拠略))の次に「、一〇二、一〇三の一、二」を、同二六枚目裏一〇行目「五八人」(22頁4段18行目)の前に「電話交換手を含め」加え、同二五枚目裏二行目に「そして」(22頁2段24行目)とあるのを「また、電々公社の現実の採用形態をみても、多数の職員が住居地付近の電報電話局に限らず、住居地を離れた電報電話局に配属されていたものであり、職員が後に希望する住居地近辺の電報電話局に勤務できる場合もあったが」と改める。
2 同二八枚目裏三行目「採用できず」(23頁2段27~28行目)の次に「控訴人角田及び同渡辺と異なり、控訴人石井からは、前記承諾書(証拠略)が提出されていないけれども、これは配置転換を採用条件としていた特別社員とそうでない見習社員の違いに由来するものであって、右認定を覆すものとはいえない。」を加え、同八行目「疎乙三の一」(23頁3段5行目の(証拠略))を「疎甲四一、乙三の一」と改め、同行目「二六」(23頁3段5行目の(証拠略))の次に「三〇、三一の各一ないし三」を、同行目から次行目「四三」(23頁3段5行目の(証拠略))の次に「、五〇ないし五三の各一、二、七一ないし七四の各一、二」を加える。
3 同二九枚目裏一〇行目(23頁4段19行目)から同三〇枚目表一行目(23頁4段24行目)「債務者は、この算定方式を一貫して採用している。」までを「「通勤時間」の中に勤務先に到着してから始業時までの時間を含めるか否かについては、昭和三六年から昭和三七年にかけて被控訴人と全電通中央本部との間で行われた配置転換協約の改正についての団体交渉においても意見が対立したままであったが、被控訴人はその後約三〇年間にわたり、右算定方式を一貫して採用し、その間全電通労組から格別に異義の申し入れはなかった。」と改める。
4 同三〇枚目表九行目に「しかし」(24頁1段7~8行目)とあるのを「また」と、同裏二行目に「労使間の合意」(24頁1段15行目)とあるのを「被控訴人の運用実態」と、同四行目「しないことは明らかである。」(24頁1段19~20行目)とあるのを「するものとはいえない。」と同四一枚目表七行目に「中央と末端とも」(27頁3段31行目)とあるのを「中央と末端とを」と改める。
5 同四二枚目表一〇行目に「人事権の濫用(主要な争点<4>)」(28頁1段16行目)とあるのを「控訴人らの個別的な事情(主要な争点<3>)」と、同四三枚目表一行目に「六時五六分」(28頁2段2行目)とあるのを「午前六時五六分」と、同二行目に「一七時」(28頁2段3行目)とあるのを「午後五時」と、同四六枚目表五行目に「六時五一分」(29頁2段4行目)とあるのを「午前六時五三分」と、同四七枚目表八行目に「2当裁判所の判断」(29頁3段19行目)とあるのを「五 当裁判所の判断」と、同九行目に「各債権者の」(29頁3段20行目)とあるのを「前記本件配置転換の必要性及び控訴人らの」と、同末行目に「(一)」(29頁3段23行目)とあるのを「1」と改め、同四七枚目裏五行目「前記」(29頁4段2行目)から同七行目「加え、」(29頁4段5行目)までを削除する。
6 同四八枚目表二行目「角田」(29頁4段18行目)の次に「に」を加え、同裏三行目「子供が小学校に入学し」(30頁1段9行目)とあるのを「子供が小学校三年生になり、保育園に託児していた頃に比べれば養育に手がかからなくなってきたこと」と、同七行目に「(二)」(30頁1段17行目)とあるのを「2」と、同四九枚目六行目に「(三)」(30頁2段6行目)とあるのを「3」と、同五〇枚目表八行目に「3」(30頁3段23行目)とあるのを「4」と、同裏三行目に「四」(30頁4段3行目)とあるのを「六」と改める。
7 同五〇枚目裏六行目から次行目にかけて「業務の必要性があった、<4>債権者らの個別的事情」(30頁4段9~10行目)とあるのを「の業務上の必要性及び控訴人らの個別的事情」と改める。
二 よって、原判決は相当であり、控訴人らの本件控訴は理由がないからいずれもこれを棄却することとし、民事訴訟法三八四条、九五条、九三条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岡田潤 裁判官 小林正 裁判官 清水研一)