大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 平成3年(行ス)12号 決定 1994年2月17日

抗告人

中央労働委員会

右代表者会長

萩澤清彦

右指定代理人

川口實

浜田直樹

久保毅

日向栄

抗告人補助参加人

ノースウエスト航空日本支社労働組合

右代表者執行委員長

小室孝夫

藤田順一

右両名抗告人補助参加人訴訟代理人弁護士

山本政明

安原幸彦

大槻厚志

山田安太郎

中丸素明

船尾徹

勝山勝弘

相手方

富里商事株式会社

右代表者代表取締役

ダン・ジョセフ・コーアス

右訴訟代理人弁護士

中山慈夫

中町誠

右当事者間の東京地方裁判所昭和六三年行ク第五一号緊急命令申立事件について同裁判所がした申立却下の決定に対し、抗告人から即時抗告の申立てがあったので、当裁判所は、次のとおり決定する。

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とし、抗告審の参加費用は抗告人補助参加人らの負担とする。

事実及び理由

一  抗告人は、抗告の趣旨として、「原決定を取り消す。」との裁判を求めるところ、その抗告の理由は、別紙抗告状「第三 抗告の理由」記載(略)のとおりである。

二  当裁判所も抗告人の本件申立は理由がないものと判断する。その理由は、原決定九丁裏八行目「その重大性に鑑みると、」(本誌五九二号<以下同じ>76頁2段17行目)を削除し、同九行目「諸事情を考慮しても、」(76頁2段18行目)の後に、「補助参加人藤田の前記の各行為が、右被控訴人・補助参加人組合の労使の対立抗争の過程のさなかに行われたものであることが認められるものの、これらが、相手方の補助参加人組合に対する組合活動の弱体化、又は、補助参加人藤田の相手方からの排除を、相手方において企画ないしは意図して作られた状況下で惹起されたもの、若しくは、相手方の右のような意図等による挑発行為によって引き起こされたもの、ないしは、相手方の前記の目的のもとに、補助参加人藤田の暴行行為の程度態様及びこれによる傷害の結果を過大に喧伝することによるものとは認めるに足りず、前記認定の懲戒事由の重大性に鑑みると、」を付加する他、原決定がその「理由」で説示するところと同一であるから、これを引用する。

三  よって、原決定は相当であり、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用は抗告人の負担とし、抗告審の参加費用は抗告人補助参加人らの負担とし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岩佐善巳 裁判官 稲田輝明 裁判官 平林慶一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例