大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。
官報全文検索 KANPO.ORG
月額980円・今日から使える・メール通知機能・弁護士に必須
AD

東京高等裁判所 平成4年(う)338号 判決 1992年9月25日

主文

本件控訴を棄却する。

当審における未決勾留日数中二二〇日を原判決の刑に算入する。

理由

本件控訴の趣意は、弁護人堀廣士が提出した控訴趣意書に記載されているとおりであるから、これを引用する。

第一控訴趣意第一(理由不備及び事実誤認)について<省略>

第二控訴趣意第二(量刑不当)について<省略>

(なお、職権により調査すると、被告人に対する第二四回公判調書には、「裁判官」氏名欄に「乙」と記載されているが、同調書の「裁判所書記官」氏名欄には「乙」と記載され、さらに同調書は同書記官によって作成されていること、被告人及び共犯者等に対する一連の詐欺被告事件が第二八回公判期日以後合議体によって審理されるようになるまで、第二四回分を除く各公判調書には、すべて「裁判官」の氏名として「甲」と記載され、その各欄外裁判官認印欄に「甲」の認印が押されているところ、それらの認印と第二四回公判調書の欄外裁判官認印欄の認印とが同一であることによれば、第二四回公判調書中の「裁判官」氏名欄の「乙」の記載は、「甲」の明白な誤記であることが認められ、このような場合、公判調書は正しい内容にしたがって証明力を有するものであるから、右の誤記は本件訴訟手続の効力に影響を及ぼすものではない。最高裁昭和三六年三月一四日第三小法廷決定・刑集一五巻三号五一六頁、最高裁昭和四八年二月一六日第二小法廷判決・刑集二七巻一号四六頁参照)

そこで、刑訴法三九六条により本件控訴を棄却することとし、当審における未決勾留日数の算入につき、刑法二一条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官近藤和義 裁判官栗原宏武 裁判官高麗邦彦)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例