東京高等裁判所 平成4年(ネ)36号 判決 1993年3月29日
控訴人
パトリシア・ダニエルズ
右訴訟代理人弁護士
長谷川健
同
藤勝辰博
被控訴人
パトリック・ダンフォード
右訴訟代理人弁護士
斉藤信一
同
近藤早利
右訴訟復代理人弁護士
高橋豪
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一当事者双方の申立て
一控訴人
1 原判決を取り消す。
2 本件を東京地方裁判所に差し戻す。
二被控訴人
本件控訴を棄却する。
第二本件請求及び事案の概要
本件請求及び事案の概要は、原判決の事実及び理由中の第一及び第二記載のとおりであるから、これを引用する。
第三当裁判所の判断
当裁判所も、控訴人の本件請求については我が国の裁判所には管轄権がないから、これを不適法として却下すべきであると判断する。
その理由は、次のとおり補正するほかは、原判決の事実及び理由中の第三記載のとおりであるから、これを引用する。
一原判決四枚目裏五行目の「このような」から同八行目の末尾までを「法例一六条及び一四条は、離婚の準拠法は夫婦の本国法が同一であるときはその法律によるものと規定しているところ、右にいう「離婚」には財産分与のような夫婦の一方の潜在的持分の実質的清算及び有責配偶者の損害賠償責任に関する法律関係も含むものと解するのが相当であるから、本件の国際裁判管轄権については、離婚に準じて考えるのが相当である。」に改める。
二原判決五枚目表二行目から同三行目にかけての「例外として、原告の住所地国にも」を「被告の住所が日本になくても、原告の住所が日本にあるときは、日本の裁判所に」に、同五行目の「乙一」を「乙一ないし三」に、同裏一行目の「あったこと」を「あり、その判決が確定していること」に改め、同裏一行目の末尾に「なお、控訴人は、神奈川県藤沢市にも住所を有していると主張するが、同所が控訴人の生活の本拠地であると認めるに足りる証拠はない。」を加える。
第四よって、当裁判所の右の判断と同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官櫻井文夫 裁判官渡邉等 裁判官柴田寛之)