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東京高等裁判所 平成8年(ネ)4397号 判決 1998年2月26日

平成八年(ネ)第四三八八号控訴人・同第四三九七号被控訴人

甲野花子(以下「控訴人」という。)

右訴訟代理人弁護士

三木恵美子

平成八年(ネ)第四三八八号被控訴人・同第四三九七号控訴人

乙川太郎(以下「被控訴人」という。)

右訴訟代理人弁護士

中川徹

主文

一  控訴人の控訴に基づき、原判決中控訴人敗訴の部分を取り消す。

二 控訴人と被控訴人との間のアメリカ合衆国ミネソタ州ヘネピン郡第四地方裁判所家事部PA二七三二四号事件について、同裁判所が一九九三年九月九日言い渡した判決に基づき、被控訴人の控訴人に対する次の内容の養育費支払義務(「IT IS HEREBY OR-DERED AND DECREED」の3のa項)につき、控訴人が被控訴人に対し強制執行することを許可する。

「Tの養育費として、一九九三年一〇月一日から同人が一八歳に達するまで、同人が中等学校に就学している場合は二〇歳まで、同人に肉体的精神的疾患があって自活できない場合にはその間(婚姻その他により法的に成人となったときはその時まで)、さらに裁判所の決定があるときはこれに基づき、毎月一二五〇ドル。」

三  被控訴人の控訴を棄却する。

四  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

事実及び理由

一  当事者の求める裁判

(平成八年(ネ)第四三八八号事件)

1  控訴人

(一)  原判決中控訴人敗訴の部分を取り消す。

(二) 控訴人と被控訴人との間のアメリカ合衆国ミネソタ州ヘネピン郡第四地方裁判所家事部PA二七三二四号事件について、同裁判所が一九九三年九月九日言い渡した判決に基づき、同判決中養育費の給付を命じる部分(「IT IS HEREBY ORDERED ANDDECREED」の3)につき、控訴人が被控訴人に対し強制執行することを許可する。

(三)  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

2  被控訴人

控訴人の控訴を棄却する。

(平成八年(ネ)第四三九七号事件)

1  被控訴人

(一)  原判決中被控訴人敗訴の部分を取り消す。

(二)  本件外国判決が、我が国において効力を有しないことを確認する。

(三)  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

2  控訴人

被控訴人の控訴を棄却する。

二  当事者双方の主張は、次のとおり付加するほかは、原判決「第二 事案の概要」に記載のとおりであるから、これを引用する。

1  控訴人

アメリカ合衆国においては、一九九一年一一月一日以降、すべての養育費支払請求事件において、養育費の支払を実効的に行うために、既発生の養育費請求権の未払分のみならず、将来分についても、給料から天引きして子を監護養育する両親の側に養育費が支払われる制度を創出し、更に、一九九四年一月一日以降は、連邦の定める家族扶養法(FAMILY SUPPORT ACT)により、裁判所が給料天引きを命じない相当の理由があるか、当事者間で特別の定めのある場合を除いて、養育費の給料天引きを命じることが義務づけられるようになった。本件外国判決は、この法律にしたがって、未成年の子Tの生活を支えるために、父である被控訴人が養育費を支払うことを命じ、その支払を確保するための手段として給料天引きを命じているが、このような主文を記しているのは、もっぱら父である被控訴人が控訴人に対し養育費支払の義務を負うことを大前提として、その支払義務の履行を確保するためである。つまり、給料天引きの方法が最善の執行方法ではあるが、それができないまでも、被控訴人の養育費支払義務が免れるなどということは全く予定されていないのである。このような給料天引制度の趣旨と本件外国判決の趣旨を汲むならば、本件外国判決は、あくまでも現に存在する養育費請求権の執行の確保の手段として天引制度の採用を命じているのであって、我が国に相応する執行方法がない場合には、被控訴人に対して養育費支払の義務があることを明らかにし、その請求権に債務名義を与えるべきである。

本件外国判決補遺A記載のミネソタ州法548.09及び548.091は、判決確定後三〇日以上にわたって支払がない場合には、被控訴人に対して控訴人が通知をし、これに応じて被控訴人が任意に支払をすればそれで手続自体は終了するが、それがなければ裁判所の執行官が強制執行手続に入ると定めている。つまり、本件外国判決が給料天引きを命じているとはいっても、その内容は、特定された金額を特定された期間、被控訴人が控訴人に支払うことを命じ、それが任意に履行されない場合には、更に支払督促の通知を行い、そしてこれに応じて任意に履行されない場合には、給料天引きの強制執行を行うことを命じているに過ぎない。このような給料天引制度の法律上かつ実際上の運用からすれば、本件外国判決の命じている内容は、第一義的には、被控訴人が控訴人に対して、裁判所の命じた具体的金額をその具体的期間の間任意に支払うことであるから、被控訴人が控訴人に対し、本件外国判決に示された金額をそこに示された期間支払うことを命じ、この請求権に対して強制執行力を与えるべきである。

2  被控訴人

(一)  国際裁判管轄権について

控訴人が認知請求を起こしたのは、Tが胎児のときである。日本での裁判で却下前に出生した場合、審理を継続することに不都合はないかもしれないが、本件の場合、アメリカと日本の制度全体の問題であり、この一点をもとに偶然出生したTの場合を当然のごとく子の認知請求として日本法においても適法とすることはできないと考える。そして、子の利益のためと判断されても、アメリカにおいては胎児中に判決が下されるのが一般的に起こりうるからアメリカにおいては別の考え方によるのではないかと想像され、説得力があるようには思われないし、また、証拠採取の点においても、様々な間接事実はむしろカリフォルニアや日本にあり、被控訴人は控訴人の自宅すら訪れたことはないのである。更に、ミネソタ州の管轄の基準ではないにも等しく、こうした制度は日本では受け入れられない。人権的、文化的土壌の違う制度をそのまま、文化因習に深く根差した認知請求事件においてアメリカでの裁判を無批判に受け入れることには問題がある。

(二)  公序良俗について

被控訴人が言いたかったことは、嫡出推定を受ける子が胎児中に、父親に対しては親子関係不存在確認請求を提起し、かつ、同時期に認知の訴えを提起し一回的な欠席判決で親子関係を認める手続自体、日本法の理念において認めることができるのかということである。生物学的に人種すら判別できない上に、胎児が死産の場合はどうなるのか等周辺の法規が全く分からない手続のもと、偶然生まれたことによりアメリカ法では合法だとの一言だけで、欠席判決でも親子関係は認められるという一般論を展開することが許されるのか甚だ疑問である。

三  証拠関係は、原審記録中の書証目録及び証人等目録並びに当審記録中の書証目録記載のとおりであるから、これを引用する。

四  当裁判所は、控訴人の請求は理由があるからこれを認容すべきであり、被控訴人の請求のうち、本件外国判決中養育費の給付を命じる部分の無効確認を求める部分は不適法であるからこれを却下し、その余の部分は理由がないからこれを棄却すべきであると判断するが、その理由は、次のとおりである。

1  本件外国判決が外国裁判所の確定判決であることは当事者間に争いがないから、これが民訴法一一八条各号に掲げる要件を具備するか否かについて判断するのに、当裁判所の認定判断は、被控訴人の主張にかんがみ、同条一号及び三号についての認定判断を次のとおり付加するほかは、原審の認定判断のとおりであるから、原判決二八頁七行目から同三六頁五行目までを引用する。

(一)  国際裁判管轄について(一号)

甲第一号証、第六号証の二、第一二号証、第一七号証及び弁論の全趣旨によれば、本件外国訴訟提起時(一九九三年(平成五年)四月一二日)において、右訴訟の当事者である控訴人の住所地はミネソタ州にあり、被控訴人の住所地はカリフォルニア州にあったこと、被控訴人は、仕事上の出張で数回にわたりミネソタ州を訪れ、同州内で控訴人と数例の性交渉をもったこと(ただし、カリフォルニア州内においても性交渉がもたれたようである。)、控訴人は、本件外国訴訟提起の当時Tを懐胎していて、同年四月一八日ミネソタ州においてTを出産し、以後同人とともに同州に居住していたが、当時、控訴人には収入がなかったことが認められる。

国際裁判管轄権を定める基準については、我が国にはこれを直接規定する成文法規もなく、また、よるべき条約も一般に承認された明確な国際法上の原則もいまだ確立されていない現状のもとにおいては、当事者間の公平、裁判の適正・迅速の理念により条理によって決定するのが相当である。そして、本件のような親子関係事件においては、当事者の住所を基準としてその住所地国の裁判管轄権を認めるべきであり、当事者が住所地国を異にする場合には、原則として、被告となるべき者の住所地に国際裁判管轄を認めるべきであるということができるが、前記認定の事実によれば、被控訴人は、仕事上の出張で数回にわたりミネソタ州を訪れ、同州内で控訴人と数例の性交渉をもったものであって、本件のような親子関係事件の訴えがミネソタ州に裁判所に提起されることが、被控訴人の予測の範囲を超えるものとはいえず、また、控訴人は、Tを懐胎しこれを出産した後もミネソタ州に居住して生活上の本拠としていて、採証上の便宜が同州内に多く集中しており、他方、控訴人には収入がなく、被控訴人の住所地の裁判所に訴訟を提起させることが控訴人に過大な負担を課することになるともいえるのであって、右の事情を考慮するならば、当事者間の公平、裁判の適正・迅速を期するという理念に照らし、本件については、被控訴人の住所地国のほか、控訴人の住所地国の国際裁判管轄を肯定するのが相当であるということができる。

被控訴人の主張は、右と異なる見解に立ってこれを非難するものであるから、採用することができない。

(二)  公序良俗違反について(三号)

甲第一号証、甲第一七号証及び弁論の全趣旨によれば、控訴人とJは、昭和五四年(一九七九年)一〇月二七日婚姻の届出をしたが、一九九三年(平成五年)三月一二日離婚の裁判が確定し、合わせて、TとJとの親子関係不存在を証する裁判が確定したこと、控訴人は、同年四月一二日、Tの出生前において本件外国訴訟を提起し(ただし、訴状及び呼出状は、Tの出生後である同年四月二六日被控訴人に送達された。)、かつ、本件外国判決は、被控訴人が期日に欠席したまま、控訴人本人尋問が実施されて、言渡しがされていることが認められ、右認定の事実によれば、本件外国判決は、その内容及び訴訟手続が我が国の公序良俗に反しないものと認められる。

被控訴人の主張は、摘出推定を受ける子が胎児中に、父親に対しては親子関係不存在確認請求を提起し、かつ、同時期に認知の訴えを提起し一回的な欠席判決で親子関係を認める手続が、日本法の理念に照らして、疑問であるとするのであるが、前記認定の事実によれば、控訴人は、TとJとの親子関係不存在を証する裁判が確定したことを受けて、本件外国訴訟を提起したのであり、また、被控訴人は、期日に欠席しているが、右期日においては控訴人本人尋問が実施されているのであって、本件外国判決は、右の本人尋問の結果を含む事件記録及び証拠に基づき言渡しがされているのである。もっとも、本件外国訴訟においては、右のとおり、被控訴人が期日に欠席したまま、言渡しがされたものであって、被控訴人の欠席の際更に期日が定められた形跡は認められないが、これが我が国の法秩序の基本原則ないし基本理念と相いれないものとは認めることができないから、本件外国判決が、被控訴人の欠席の際更に期日が定められることなく言渡しがされたとの一事をもって、直ちに、その訴訟手続が我が国の公序良俗に反しないとの要件を満たさないということはできない。したがって、控訴人の右主張は、前記認定の事実と異なる事実を前提とするか、又は右と異なる見解に立つものであるから、採用することができない。

2  そこで、本件外国判決中主文第三項の養育費の給付を命じる部分につき強制執行を許すか否かについて判断する。

(一)  本件外国判決は、前記1説示のとおり、外国裁判所の確定判決であり、かつ、民訴法一一八条各号に掲げる要件を具備しているものである。

(二)  そして、甲第一号証、第七号証、第二一ないし第二四号証及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

(1) 本件外国判決の主文には、養育費の支払につき、次のとおり記載されている。

(ア) 被控訴人の現在の使用者、又は将来の使用者、又は他の基金の支払者は、その原因如何に関わらず、被控訴人の収入から天引し、ミネソタ州ミネアポリス市南六番通り<以下住所略>ヘネピン州サポート・アンド・コレクションサービスに、次のとおり、被控訴人の支払期間及び義務に応じ、分割して送金する。

a Tの養育費として、一九九三年一〇月一日から同人が一八歳に達するまで、同人が中等学校に就学している場合は二〇歳まで、同人に肉体的精神的疾患があって自活できない場合にはその間(婚姻その他により法的に成人となったときはその時まで)、さらに裁判所の決定があるときはこれに基づき、毎月一二五〇ドル。

(イ) 右収入の自動天引きが実行されるまで、義務者は直接サポート・アンド・コレクションサービスに右支払をしなければならない。

(ウ) 判決添付の一九九二年一月付け補遺Aを引用する。

(エ) 被控訴人は、住所又は職業の変更を一〇日以内に、サポート・アンド・コレクションサービスに通知しなければならない。

義務者は、その収入が著しく減少したときには、子の扶養料又は婚姻費用の減額若しくは延期をその責任において申請しなければならない。

(2) 本件外国判決主文第三項は、同第五項により一体をなすものとして引用された補遺A記載のミネソタ州法により、養育費の支払につき同判決の当事者ではない被控訴人の使用者等に給与の天引きを命じているが、これは、アメリカ合衆国において、養育費支払の実効をあげるため、家族扶養法(FAMILY SUPPORT ACT)により、一九九四年一月一日以前に支払が命じられ又は以後に支払が命じられる子の養育費は、命令を発する裁判所又は機関が給料天引きを命じない相当の理由があると認めるとき、若しくは、当事者間に書面による別の取決めがない限り、養育費支払命令において給与天引命令をすべきことが要求され、右以前にも同様の措置がされていたことによるものである。

(3) ミネソタ州法上、判決によって支払を命じられた養育費について、支払が三〇日以上ないときには、支払請求権者が支払義務者に対し所定の通知をし、支払義務者が支払をするか、所定の手続をとらない限り、裁判所執行官によって強制執行の手続が開始される旨、規定されている。

(三)  執行判決においては、外国判決による強制執行を許す旨の宣言がされ(民事執行法二四条四項)、確定した執行判決のある外国裁判所の判決によって強制執行が行われることになる(同法二二条六号)。こうした制度によると、執行判決において強制執行を許す旨を宣言するのは、外国裁判所の判決に記載された内容に限ることが原則であるというべきところ、本件外国判決には、被控訴人に対し、Tの養育費を控訴人に支払うよう命ずる旨を直截に明示した記載はない。しかしながら、判決によって養育費の支払を命ずる場合において、その給付につき、債務者の債権者に対する養育費の支払義務があることを前提とするものであることは事柄の性質上明らかであるというべきところ、アメリカ合衆国においては、養育費支払の実効をあげるため、家族扶養法(FAMILY SUPPORT ACT)により、一九九四年一月一日以前に支払が命じられ又は以後に支払が命じられる子の養育費は、命令を発する裁判所又は機関が給与天引きを命じない相当の理由があると認めるとき、若しくは、当事者間に書面による別の取決めがない限り、養育費支払命令において給与天引命令をすべきことが要求され、右以前にも同様の措置がされていたのであって、これにより、本件外国判決は、被控訴人に対し、Tの養育費を控訴人に支払うよう命ずるに当たり、判決の当事者ではない被控訴人の使用者等に対し、被控訴人の支払期間及び義務に応じて、Tの養育費を被控訴人の給与から天引し、これをヘネピン州サポート・アンド・コレクションサービスに送金するよう命ずる旨の記載をしているのである。そして、本件外国判決は、「次のとおりの被控訴人の債務(the Defendant' sobligations as follws:)」として、前記a項等に具体的な支払期間と金額を記載しているのであるから、被控訴人の使用者等に対し、被控訴人の給与の天引きとヘネピン州サポート・アンド・コレクションサービスへの送金を命ずる旨の本件外国判決の記載は、被控訴人の控訴人に対する養育費の支払義務があることとは無関係のものはなく、養育費の支払義務があることを前提として、その養育費支払の実効をあげるための技術的な要請に基づきされているものであるということができる(このことは、裁判所等が給与天引きを命じない相当の理由があると認めるとき、若しくは、当事者間に書面による別の取決めがあるときには、養育費支払命令において給与天引命令がされないことからみても、明らかである。)。

また、我が国において外国裁判所の判決の効力を認めるということは、その判決が当該外国において有する効果を認めることである。確かに、右のような養育費支払についての給与天引制度は、アメリカ合衆国の前記法律によって認められたものであって、我が国には存在しない制度であるから、我が国においては、本件外国判決によって、判決の当事者ではない被控訴人の使用者等に対し、差押え等を介することなく、Tの養育費を被控訴人の給与から天引し、これを公的な集金機関に送金すべきことを命ずることができないのは明らかであるが、判決によって支払を命じられた養育費については、ミネソタ州法上、支払が三〇日間以上ないときには、支払請求権者が支払義務者に対し所定の通知をし、支払義務者が支払をするか、所定の手続をとらない限り、執行することができるとされているのであって、本件外国判決のうち、被控訴人の使用者等に対し、被控訴人の給与の天引きとヘネピン州サポート・アンド・コレクションサービスへの送金を命ずる部分は、ミネソタ州において、被控訴人に対し養育費の支払を命ずるものとして執行力を有しているというべきであるから、本件外国判決のうち養育費の支払を命ずる部分の執行力を、我が国においても外国裁判所の判決の効力として認めることができるものである。

(四)  以上判示したところによれば、本件外国判決は、我が国の強制執行に親しむ控訴人の被控訴人に対する具体的な給付請求権を表示してその給付を命じる旨の内容を有するものと解することができるのであって(なお、右のとおり解することができる以上、本件外国判決に変更を加えることにはならないから、外国判決の実質的審査を禁止する民事執行法二四条二項の規定の趣旨に反するものということはできない。)、本件外国判決のうち養育費の支払を命ずる部分の強制執行は、これを許すのが相当であるというべきである。

五  したがって、控訴人の請求は理由があるからこれを認容すべきであり、被控訴人の請求のうち、本件外国判決中養育費の支払を命じる部分の無効確認を求める部分は二重起訴に当たり不適法であるからこれを却下し、その余の部分は理由がないからこれを棄却すべきであるから、原判決は、控訴人の請求を棄却した限度において不当であるといわなければならない。

よって、控訴人の控訴は理由があるから、原判決中控訴人敗訴の部分を取り消して、本件外国判決中被控訴人の控訴人に対する養育費支払義務につき、控訴人が被控訴人に対し強制執行することを許可し、被控訴人の控訴は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担について民訴法六七条、六一条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官宍戸達德 裁判官髙野輝久 裁判官佃浩一は、転補のため署名押印することができない。裁判長裁判官宍戸達德)

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