東京高等裁判所 平成9年(行ケ)117号 判決 1998年10月06日
アメリカ合衆国、ニューヨーク州、10017、ニューヨーク、イースト フォーティセカンドストリート 100
原告
フィリップス エレクトロニクス ノース アメリカ コーポレイション
代表者
アルジー タモシュナス
訴訟代理人弁理士
沢田雅男
東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
被告
特許庁長官 伊佐山建志
指定代理人
内藤二郎
同
水野恵雄
同
井上雅夫
同
廣田米男
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
この判決に対する上告のための付加期間を30日と定める。
事実
第1 原告が求める裁判
「特許庁が平成4年審判第13278号事件について平成8年9月30日にした審決を取り消す。」との判決
第2 原告の主張
1 特許庁における手続の経緯
ノース アメリカン フィリップス コンシューマー エレクトロニクス コーポレイションは、昭和61年5月27日に発明の名称を「汎用遠隔制御装置」とする発明(以下「本願発明」という。)について特許出願(昭和61年特許願第120332号。1985年5月30日アメリカ合衆国においてした特許出願に基づく優先権を主張)をしたが、平成4年3月31日に拒絶査定がされたので、同年7月16日に拒絶査定不服の審判を請求し、平成4年審判第13278号事件として審理された結果、平成7年2月1日に出願公告(平成7年特許出願公告第10115号)されたが、特許異議の申立てがあり、平成8年9月30日、特許異議の申立ては理由がある旨の決定とともに、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決を受け、平成9年1月13日にその謄本の送達を受けた(原告のための出訴期間として90日が付加された。)。
なお、ノース アメリカン フィリップス コンシューマー エレクトロニクス コーポレイションは、その後ノース アメリカン フィリップス ライティング コーポレイションに吸収合併され、ノース アメリカン フィリップス ライティング コーポレイションは、その後ノース アメリカン フィリップス コーポレイションに吸収合併された。そして、ノース アメリカン フィリップス コーポレイションは、その後、法人名を原告の現名称に変更した。
2 本願発明の特許請求の範囲の請求項1(以下「本願第1発明」という。)
複数のカテゴリのうちの1つにそれぞれが属する複数の機器であり、その各々が、予め定められた信号フォーマットを持つ遠隔制御信号を受信すると、予め定められた機能を実行するのに適応している複数の機器を、遠隔制御する装置であって、
ユーザーが選定した上記機器のカテゴリのうちの1つを表すカテゴリ選定信号を生成するためのカテゴリ選定手段と、
上記機器のカテゴリのうちの選定されたものに関連してユーザーが選定可能な指令を表示するため、及びユーザーがそれを選定したのに応じて上記指令の1つを表す指令信号を生成するための、指令表示及び選定手段と、
選定可能なカテゴリの各々に対する指令テーブルを記憶するため、及びカテゴリの各々に対する、変調周波数、パルス幅或いはリードパルスとトレーラパルスの存在の如き複数の送信パラメータを表す信号フォーマットを記憶するための、メモリ手段と、
カテゴリ選定信号と指令信号との制御の下に、上記メモリ中の指令テーブルのデータを読み出すため、及び選定されたカテゴリに対し記憶された信号フォーマットを読み出すための、読み出し手段と、
読み出されたデータが与えられ、それに応じて機器を制御する読み出し信号フォーマットを持つ遠隔制御信号を送出するための送信手段と
を有する遠隔制御装置において、
メモリ手段は、機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマットを記憶するのに適合するものであり、
読み出し手段は、さらにユーザー操作可能な選定手段の制御の下に、機器を制御するために用いられる信号フォーマットを読み出すのに適合するものであり、
該ユーザー操作可能な選定手段は、機器のカテゴリの各々に設けられている
ことを特徴とする遠隔制御装置。
3 審決の理由
別紙審決書「理由」写しのとおり(審決における「第1引用例」を以下「引用例1」という。)
4 審決の取消事由
各引用例に審決認定の技術的事項が記載されていることは認める。しかしながら、審決は、本願第1発明と引用例1記載の発明の相違点を看過した結果、本願発明の進歩性を否定したものであって、違法であるから、取り消されるべきである。
(1)メモリ手段に関する相違点の看過
本願第1発明の要件であるメモリ手段は、「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマットを記憶するのに適合するもの」である。
これに対し、引用例1記載の発明の実施例を示す別紙図面第2-(1)図のデータ記憶部22は、各カテゴリにつき1つの信号フォーマットしか記憶しないものであるから、同じカテゴリの別の機器を使用するときは、新たに信号フォーマットを入力しなければならない。また、引用例1記載の発明の別の実施例を示す別紙図面第3-(1)図のデータ記憶部22は、ROMカートリッジ30から信号フォーマットを読み出して記憶するが、これも各カテゴリにつき1つの信号フォーマツトについてのみ行われるものであるから、同じカテゴリの別の機器を使用するときは、別のROMカートリッジが必要になる。
このように、本願第1発明の要件であるメモリ手段と引用例1記載のデータ記憶部22は技術的意義を異にするものである。
(2)読み出し手段に関する相違点の看過
本願第1発明の要件である読み出し手段は「ユーザー操作可能な選定手段の制御の下に、機器を制御するために用いられる信号フォーマットを読み出すのに適合するもの」であるが、この読み出し手段によって読み出される信号フォーマットが「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった」ものであることは前項(1)記載のとおりである。
これに対して、引用例1記載のデータ記憶部22は、各カテゴリにつき1つの信号フォーマットしか記憶しないものであるから、引用例1記載の発明には「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマット」を読み出す手段は存在しえない。
(3)審決は上記の2点の相違点を看過しているが、これらの相違点に係る構成の容易想到性の判断遺脱が、本願第1発明の進歩性を否定した審決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。
第3 被告の主張
原告の主張1ないし3は認めるが、4(審決の取消事由)は争う。審決の認定判断は正当であって、これを取り消すべき理由はない。
1 メモリ手段について
原告は、本願第1発明の要件であるメモリ手段が「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマットを記憶するのに適合するもの」であるのに対し、引用例1記載のデータ記憶部22は各カテゴリにつき1つの信号フォーマットしか記憶しないものであるから、両者は技術的意義を異にする旨主張する。
しかしながら、引用例1記載のデータ記憶部22は、相違点<1>に関連する構成を除けば、本願第1発明の要件であるメモリ手段と何らの差異もないから、原告の上記主張は失当である。
2 読み出し手段について
原告は、本願第1発明の要件である読み出し手段が「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマットを読み出すのに適合するもの」であるのに対し、引用例1記載の発明には「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマット」を読み出す手段は存在しえない旨主張する。
しかしながら、引用例1記載のキー入力部20は、相違点<1>に関連する構成を除けば、本願第1発明の要件である読み出し手段と何らの差異もないから、原告の上記主張も失当である。
理由
第1 原告の主張1(特許庁における手続の経緯)、2(本願第1発明の特許請求の範囲)及び3(審決の理由)は、被告も認めるところである。
第2 そこで、原告主張の審決取消事由の当否について検討する。
1 メモリ手段について
原告は、本願第1発明の要件であるメモリ手段が「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマットを記憶するのに適合するもの」であるのに対し、引用例1記載のデータ記憶部22は各カテゴリにつき1つの信号フォーマットしか記憶しないものであって、両者は技術的意義を異にする旨主張する。
しかしながら、審決は、本願第1発明と引用例1記載の発明の相違点<1>として、「カテゴリ毎に、複数の機器(機種)を有し、カテゴリ毎の、異なる信号フォーマットにより、カテゴリとそのカテゴリに属する複数の機器の1つを選択指令する構成」の有無を挙げているところ、原告の上記主張は、メモリ手段(データ記憶部)に関して相違点<1>に係る構成の有無を述べているにすぎない。そして、相違点<1>に係る構成の採用によって、メモリ手段ばかりでなく、指令表示及び選定手段あるいは読み出し手段等の構成も適宜に変更されなければならないことは当然であるが、これらは当業者ならば容易にできる設計事項にすぎないから、原告主張の点をあらためて相違点として挙げる必要はないというべきである。ちなみに、メモリ手段について「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマットを記憶するのに適合するもの」とする限定は、要するに、メモリ手段の記憶容量の限定にすぎないが、引用例1記載のデータ記憶部が本願第1発明において必要とされる記憶容量を持たないと考える理由は全くない。
2 読み出し手段について
原告は、本願第1発明の要件である読み出し手段は「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマットを読み出すのに適合するもの」であるが、引用例1記載の発明には「機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号フォーマット」を読み出す手段は存在しえない旨主張する。
しかしながら、原告の上記主張は、読み出し手段に関して相違点<1>に係る構成の有無を述べているにすぎず、原告主張の点をあらためて相違点として挙げる必要がないことは上記メモリ手段の場合と全く同様である。
3 以上のとおりであるから、相違点に関する審決の認定は正当であって、審決には原告主張のような違法はない。
第3 よって、審決の違法を理由にその取消しを求める原告の本訴請求は、失当であるから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担及び上告のための期間付加について行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条、96条の各規定を適用して、主文のとおり判決する。
(口頭弁論終結日 平成10年9月22日)
(裁判長裁判官 清永利亮 裁判官 春日民雄 裁判官 宍戸充)
別紙図面
<省略>
理由
(手続きの経緯・本願発明の要旨)
本願は、昭和61年5月27日(優先権主張1685年5月30日、米国)の出願であって、その発明の要旨は、出願公告後の平成8年3月29日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の第1番目に記載されたとおりの、
「複数のカテゴリのうちの1つにそれぞれが属する複数の機器であり、その各々が、予め定められた信号フォーマットを持つ遠隔制御信号を受信すると、予め定められた機能を実行するのに適応している複数の機器を、遠隔制御する装置であって、
ユーザーが選定した上記機器のカテゴリのうちの1つを表すカテゴリ選定信号を生成するためのカテゴリ選定手段と、
上記機器のカテゴリのうちの選定されたものに関連してユーザーが選定可能な指令を表示するため、及びユーザーがそれを選定したのに応じて上記指令の1つを表す指令信号を生成するための、指令表示及び選定手段と、
選定可能なカテゴリの各々に対する指令テーブルを記憶するため、及びカテゴリの各々に対する、変調周波数、パルス幅或いはリードパルスとトレーラパルスの存在の如き複数の送信パラメータを表す信号フォーマットを記憶するための、メモリ手段と、
カテゴリ選定信号と指令信号との制御の下に、上記メモリ中の指令テーブルのデータを読み出すため、及び選定されたカテゴリに対し記憶された信号フォーマットを読み出すための、読み出し手段と、
読み出されたデータが与えられ、それに応じて機器を制御する読み出し信号フォーマットを持つ遠隔制御信号を送出するためめ送信手段とを有する遠隔制御装置において、
メモリ手段は、機器のカテゴリの各々に対し、複数の異なった信号ウォーマットを記憶するのに適合するものであり、
読み出し手段は、さらにユーザー操作可能な選定手段の制御の下に、機器を制御するために用いられる信号フォーマットを読み出すのに適合するものであり、
該ユーザー操作可能な選定手段は、機器のカテゴリの各々に設けられている ことを特徴とする遠隔制御装置。」にあるものと認める。
(引用例)
これに対して、当審における特許異議申立人、佐藤 光雄が提示した甲第3号証である特開昭59-138195号公報(昭和59年8月5日出願公開。以下、第1引用例という)には、次のような記載がある。
A.「従来の赤外線出力を持った小型情報機器としては、テレビ、エアコン、ステレオなどのチャンネル、ボリューム等の入力を離れた所から制御するコントローラとして、一部のテレビ、エァコン、ステレオ等に付属していた物があげられる。
これらの機器は、赤外線をコントロール信号の伝送手段として用いる事は、共通しているが、その変調方式、変調周波数、信号フォーマット等は各メーカー、及び、機種によって異なっており、規格の統一もされていない。」(第1頁右欄)
B.「本発明においては、小型情報機器内の、赤外線の変調方式及び、周波数、信号フォーマットを全て可変とし、被コントロール機器(テレビ、ステしオ等で、赤外線によるコントロール可能な機器 )、各々のデータ(変調方式、周波数、信号フォーマット)によって赤外線出力部を制御し、技コントロール機器に適当な赤外線を出力する事により、一台の小型情報機器により、すべての被コンドロール機器をコントロール可能とした。」(第2頁左上欄)
C.「第2-(1)図は、本発明の実施例の構成図であり、20はキー入力部、21はデータ入力部、22はデータ記憶部、23は制御部、24は表示部、25は赤外線出力部である。 これらを動作するには、まず21より、該コントロール機器の各々のコントーロールに使用されている変調方式、周波数、信号フォーマット等のデータが入力され、23により22に記憶される。次に、使用者が24を見ながら、20より、被コントロール機器を選択し、コマンドを入力すると、23は22により、その機器用のデータを読み出し、25を制御して、適当な赤外線を出力する。」(第2頁左上欄~右上欄)
また、同じく提示された甲第2号証である特開昭59-200597号公報(昭和59年11月13日出願公開。以下、第2引用例という)には、次のような記載がある。
a.「本発明は、メーカーや機種の相違と無関係に、同一機器類に属する装置、例えば、VTR、を一括して遠隔制御し得る遠隔制御装置に有利に使用することができる。」(第2頁右上欄)
b.「遠隔制御装置の構成を、第1図に示すような、操作素子2、制御装置1、制御コード発生器3、コード決定回路7、コード選択回路5、メモリテーブル6、赤外線送信器4から成る構成とする。」(第1図)
c.「上記メモリテーブル6には、すべての制御信号が、装置の機種に応じて第1表に示すように分類して記憶されており、かつ、制御コード発生器3は、遠隔制御信号を発生するためどのコード規定を使用するかについての情報を、コード規定を使用するかについての情報を、コード選択回路5から受取り、コード選択回路は、メモリーテブル6から所定の装置に対する制御信号を有する列だけを、選択する」構成となっているため、
d.「使用者が操作素子2を操作すると、制御装置のあらゆる指示に対して種々の遠隔制御信号が発生でき、この信号によって、所定の装置グループに属する種々の装置で、操作された遠隔制御キーに対応する機能をトリガできるのである。」(第2頁左下欄~第3頁左上欄)
(対比)
そこで、本願発明(以下、前者という)と前記第1引用例に記載されたもの(以下、後者という)とを比較すると、両者は、
「カテゴリの異なる複数の機器(テレビ、ステレオ等、以下、括弧内は後者の記載を示す)を、遠隔制御(リモートコントロール)する装置(小型情報機器)であって、
ユーザーが選定した上記機器のカテゴリのうちの1つを表すカテゴリ選定信号を生成するためのカテゴリ選定手段(使用者が24を見ながら、20より、被コントロール機器を選択する、「キー入力部20」)と、
選定可能なカテゴリの各々に対する指令テープルを記憶するため、及びカテゴリの各々に対する、信号フォーマットを記憶するための、メモリ手段(まず21より、該コントロール機器の各々のコントロールに使用されている変調方式、周波数、信号フォーマット等のデータが入力され、23により22に記憶される、「データ記憶部22」)と、
カテゴリ選定信号の下に、上記メモリ中の指令テーブルのデータを読み出すため、及び選定されたカテゴリに対し記憶された信号フォーマットを読み出すための、読み出し手段(次に、使用者が24を見ながら、20より、被コントロール機器を選択し、コマンドを入力すると、23は22により、その機器用のデータを読み出す、「制御部23」)と、
読み出ざれたデータが与えられ、それに応じて機器を制御する読み出し信号フォーマットを持つ遠隔制御信号を送出するための送信手段(その機器用のデータを読み出し、25を制御して、適当な赤外線を出力する、「出力部25」)とを有する遠隔制御装置。」の点で、一致し、下記<1><2>の点で相違するが、その余の構成には実質的な差異は認められない。
<1> 前者は、カテゴリ毎に、複数の機器(機種)を有し、カテゴり毎の、異なる信号フォーマットにより、カテゴリとそのカテゴリに属する複数の機器の1つを選択指令する構成とするのに対して、後者は、これに関する明記がない点。
<2> 前者は、送信フォーマットを、変調周波数、パルス幅あるいはリードパルスとトレーラパルスの如き複数の送信パラメータを表すと(内容)限定をしているのに対して、後者には、この限定記載がない点。
(当審の判断)
次に、これらの<1><2>の相違点を更に検討するに、<1>の相違点に対して、
イ. 後者の、上記Aの記載から、1つのカテゴリに属する、例えば、VTRの機器においても、「メーカーや機種の相違により、制御信号形態が異なることは、即連想し得ること、
ロ.事実異なるため、1つのカテゴリに属する機器を、メーカーや機種の相違に無関係に、一括して遠隔制御するようになす技術思想、及び、メモリを用いて種々の制御信号を、選択発生し、所望機器を制御する具体的構成が、上記第2引用例に開示されていること、から判断し、後者のような、複数のカテゴリの機器を一括して遠隔制御する装置においても、更に、各カテゴリ毎にも、「メーカーや機種の相違に無関係に一括して遠隔制御し得るように細展開すること」は、容易に想到し得ることと認められる。そして、その場合、先ず、カテゴリを選定し、次に、そのカテゴリの中から所望の磯器の指定をする構成となすことは、細展開に伴う、容易に想到し得る置換的設計変更程度のことと認められる。してみると、この相違点で、格別の発明力を要したものとは認められない。
<2>の相違点に対して、
信号フォーマットとして、どのようなパラメータ構成となすかは、適宜選定し得る制御信号形態をどのようになすかにより決定し得る設計事項程度のことであり、かつ、変調周波数、パルス幅あるいはリードパルスとトレーラパルスの存在の如き送信パラメータは、通常の遠隔制御信号形態から、容易に想到し得る、基本的なパラメータにして、この相違点でも、格別な発明力を要したものとは認められない。
(むすび)
したがって、本願の特許請求の範囲の第1番目に記載された発明は上記各引用例に記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものと認められ、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。