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東京高等裁判所 平成9年(行ケ)149号 判決 1998年3月19日

原告

山田實

右訴訟代理人弁護士

村上誠

鶴田進

井上悦子

被告

高等海難審判庁長官

藤井裕司

右指定代理人

中垣内健治

外四名

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一  当事者の求めた裁判

一  原告

1  高等海難審判庁が平成九年六月一六日言い渡した別紙記載の裁決を取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  被告

主文と同旨

第二  当事者の主張

一  請求の原因

1  事件の経過

(一) 原告は、平成六年一二月二六日当時、漁船第二十五五郎竹丸(以下「本船」という。)の船主であった者である。

(二) 本船は、平成六年一二月二六日午後一時、乗組員二〇名が乗り込み、操業の目的で静岡県戸田漁港を発し、僚船四隻とともに同県御前崎沖合の漁場に向かった。

右漁場に至り、僚船とともに魚群探索を行っていたが、風が強まってきたことから、魚群探索を打ち切り、帰途についた。

帰途の途中(同日午後七時頃か)、本船は転覆し、沈没した。乗組員のうち四名が発見救助されたが、そのうち二名は死亡した。残る一六人は行方不明であったが、後に全員が認定死亡とされた。

死者一八名という大惨事であった。

(三) 右事故について、海難審判庁理事官は、事故の原因は、原告が満載喫水線を越える状況を放置し、かつ、船主として本船乗組員に対し安全確保の指導を行わなかったことであるとして、原告を指定海難関係人として(受審人なし)、平成七年四月一四日、横浜海難審判庁に対し、審判開始の申立てをした(同庁平成七年横審第四二号)。

横浜海難審判庁は、審理の末、平成八年四月二六日、「本件転覆は、気象海象に対する配慮不十分で、発航することを中止しなかったことと、満載喫水線の不遵守で、復原力を確保できなかったことによって発生したものである。船舶所有者が、乗組員に対して、満載喫水線の遵守についての指導監督が十分でなかったことは、本件発生の原因となる。」との裁決(以下「第一審裁決」という。)を言い渡した。

しかし、他方、「指定海難関係人(原告)は、本件発生後、五郎竹丸船団を解散し、以後の操業を取り止めている」として、勧告はしなかった。

(四) 原告及び原告補佐人は、第一審裁決を不服とし、平成八年五月二日、高等海難審判庁に対し第二審の請求をした(同庁平成八年第二審第一五号)。

これに対し、高等海難審判庁は、平成九年六月一六日、指定海難関係人及びその補佐人には、第二審請求権がないとして、棄却の裁決(以下「本件裁決」という。)を言い渡した。

2  本件裁決は、その判断に誤りがあり取り消されるべきである。

(一) 本件裁決が、指定海難関係人の第二審請求を否定した理由は、①第二審請求権を認めた明文がないこと、②指定海難関係人の地位は、公益の代表者である理事官とは異なること、③原因解明裁決では、指定海難関係人に法的不利益は与えないこと、以上である。

しかしながら、右の理由が不当であることは以下に述べるとおりである。

(二) 指定海難関係人に第二審請求権を認めた明文の規定がないことについて

第二審請求権者を定めた海難審判法(以下単に「法」という。)四六条一項に指定海難関係人が含まれていないのは、指定海難関係人という制度自体が、後日規則によって創設されたものであるからにすぎない。

ところで、海難審判法施行規則(以下単に「規則」という。)によれば、理事官又は受審人から第二審の請求がされると、事件全体が第二審に移行する(六三条)。第二審の審理は覆審であって、不服申立てがされた事項に限定されることなく、事件全体が再度審理される。その効力は指定海難関係人にも及ぶ(同条)。その結果、指定海難関係人は、審判期日に出廷しなければならない義務を負い、正当な理由なく出廷を拒否できない(六七条、三九条)などの拘束を受ける一方、当事者として、受審人と同様の地位を与えられ(二七条、三二条、三四条一項、三六条、三七条、三九条、四一条、四五条二項、四九条、五〇条、五六条)、第一審と同様の地位に立って、主張及び証拠蒐集活動を行うのであり、これは当事者としての権利であると同時に、海難原因者として名指しされたことに対する防禦活動である。

このような指定海難関係人が規則によって与えられた地位からすれば、指定海難関係人に第二審請求権が認められるとする解釈こそがむしろ自然である(法四六条一項の準用)。

そればかりか、規則六四条三項は、「第二審の請求があったときは、原地方海難審判庁は、速やかに請求人以外の受審人、指定海難関係人及び理事官にこれを通知しなければならない。」と定めており、右条項において指定海難関係人も請求人になりうることが予定されていることは明らかである。

(三) 指定海難関係人の地位について

(1) 本件裁決の踏襲する最高裁昭和五三年三月一〇日判決は、指定海難関係人の地位について、次のように述べている。

「海難審判は、海難原因の解明を第一義とするものであることはいうまでもないが、この手続に受審人又は指定海難関係人を関与させるのは、専ら、それらの者に対して懲戒又は勧告の裁決を行うについて事前に弁明防禦の機会を与えるという趣旨に出たものと認めるべきであって、右弁明防禦のためにする受審人又は指定海難関係人の主張立証活動が同時に海難原因の解明に役立つことになるとしても、そのことから、懲戒又は勧告がされるかどうかにかかわりなく、右原因解明が適正に行われること自体について受審人又は指定海難関係人に独自の個人的利益が保障されているものと解することはできない。」

「指定海難関係人が、勧告裁決を受けた場合でも、「その勧告を尊重し、努めてその趣旨に従い必要な措置を取らなければならない。」(法六三条)とされるのみで、これをしなくても格別の処分その他の不利益を受けるわけではない。」

「原因解明裁決は、海難発生の原因を明らかにするにとどまるものであって、一種の事実確認にすぎず、たとえその裁決中で受審人に不利益な事実が認定されている場合でも、それにより受審人になんらかの義務を課し又はその権利行使を妨げるものではなく、もとより当該海難に関する他の民事又は刑事の訴訟等において右不利益事実の存在を確定する効力も有しない。」

(2) しかしながら、指定海難関係人が規則によって与えられた地位は、前項記載のとおりである。

右のように指定海難関係人に当事者としての権利義務を課しつつ、他方でその結果は指定海難関係人に何ら法律上の不利益を与えないというのは、自己矛盾である。そもそも、指定海難関係人が被る法律上の不利益と事実上の不利益を明確に区別すること自体不可能である。

指定海難関係人は、審理の結果に対する負担と引き換えに当事者としての地位を与えられたと解されるのであって、そうでなければ、指定海難関係人などという特別の地位を与える必要はなく、単に原因究明のための証人として関与させれば済むことである。

(3) 理事官は、国の代表者として、審判開始の申立てを行い、受審人ないし指定海難関係人を指定し(法三三ないし三五条、規則二七条)、また、審判途中でも右指定を取り消すこともできるとされている(規則三二条)。

しかし、一旦開始された海難審判手続において、理事官が国を代表しているからといって、法が何か特別な権限を与えているであろうか。受審人ないし指定海難関係人が指定され、当事者の関与のもと、凖司法的手続が開始された以上、公益の代表者であるとの一言によって裏付けうる特権などないはずであるし、あってはならない。

(4) 海難審判手続は、行政手続であるとしても、審判官、理事官及び受審人・指定海難関係人という三当事者関与のもとに行われる凖司法的手続であって、行政機関が行う単なる事実調査手続ではない。

このような手続において「当事者として審理に関与させこれに主張立証活動を行わせた以上、……右当事者からの行政不服申立としての第二審請求だけはこれを認めて救済をはかるということが、制度の仕組みとして十分考えられ」なければならないということは当然である(前記最高裁判決における大塚裁判官の反対意見)。

(5) 指定海難関係人に第二審請求権を認めず、三当事者のうち公権力の行使者である理事官のみが第二審請求権をもつということは、指定海難関係人がいくら熱心に第一審の審理に関わろうと、結局は第一審の判断に異議を唱える余地がないということである。

特に、本件のように受審人という当事者が当初から欠けている審判手続においては、指定海難関係人のみが理事官に対抗する唯一の当事者である。その指定海難関係人を当事者として関与させて対審構造を取り、さらに第二審が覆審である以上、それをつなぐ第二審請求権を第一審の当事者である指定海難関係人が有することは当然のことである。

対審における一方の当事者に、当初から異議権がないというのであれば、制度として指定海難関係人という関係者は当事者とはいえない。

指定海難関係人は、第一審でも、第二審でも当事者であるが、不服申立権はないということは、指定海難関係人の地位を不当に不安定にするものであって、到底認められることではない。第一審と第二審における審理は継続しており、その第一審から第二審への移行過程において、指定海難関係人だけが第二審請求権者から排除される理由は全くないはずである。

(6) 手続保障はあらゆる場面で重要である。真実を発見し、その内容の公正さを担保するのは、まさしく手続保障である。憲法の解釈上も、公正手続保障の適用範囲は年々広がっている。凖司法的手続である海難審判には真っ先に適用されなければならない。

(四) 第二審請求の利益について

仮に、指定海難関係人に第二審請求権があるとしても、本件のように勧告を受けなかった場合も、その当事者に第二審請求権があるかという問題が検討されなければならない。

前記最高裁判決は、不懲戒の受審人からされた第二審請求は、訴えの利益がないとしており、本件裁決も、原因解明の判断には不服申立てはできないと述べている。

しかし、海難審判手続は当事者関与のもと、海難事故原因を明らかにしようというのが主たる目的であることからすれば、海難原因の認定に対する不服は、それだけで第二審請求の利益となるはずである。実際上も海難裁決の存在は、指定海難関係人の民事・刑事上の利益にも重要な影響を与えることは明らかであり、現に、原告は現在、一部の遺族から、第一審裁決の認定そのままの事実をもって過失があるとされ、損害賠償請求訴訟を提起されている。

なお、本件において指定海難関係人が勧告を受けなかったといっても、裁決書の主文において、原因者として認定されているのであるから、本件は、単に裁決における事故原因の事実認定を理由として第二審請求できるかという問題とは同一のものではない。第一審裁決の存在により、直接的に法律上の利益を侵害されたものであり、第二審請求の利益があることは明らかである。

(五) 重大な事実認定の誤りについて

(1) 本件における特別な事情として、後記(2)以下のとおり、第一審裁決がそれ自体極めて不合理であるという事実がある。

仮に、指定海難関係人の第二審請求権を制限的に考える立場に立ったとしても、このように第一審裁決の事実認定の誤りが記録上明らかであり、それがまた第一審の判断に重要な影響を及ぼすことが明らかな場合には、指定海難関係人にも第二審請求権を認めるべきである。

特に、本件のように受審人がおらず、指定海難関係人を指定することで審判手続を開始し、維持してきた事件において、これを認めないことの不合理・不公正は顕著である。右のような事実認定の誤りにつき利害関係を有しているのは指定海難関係人のみであり、指定海難関係人に第二審請求権を認めないのならば、この明らかな誤りを是正する機会は全く閉ざされてしまうこととなるが、これは、事故原因解明を目的とする海難審判の制度趣旨・存在意義からみて到底是認できることではない。

(2) 第一審裁決の中心は、本船が事故当時排水量二一一トンに達するほど喫水が深かったということに尽きるが、第一審が喫水を認定した証拠は、平成四年一一月一三日付の理事官作成の検査調書の写真のみである。

しかし、右写真は、普通のサービス版の小さなものであり、写りも不鮮明であって、これを機械で分析するでもなく、ここから正確な数字を読みとることは到底不可能である。それが可能ならば、写真を撮影した理事官本人が申立書の段階で主張しているはずであるし、第一審で提出された各鑑定書の鑑定人もそれを採用しているはずである。

ところが、第一審記録中の平成四年八月二七日付海上保安官稲田正樹作成の実況見分調書中には、同月二五日の見分結果として、当時の本船の乾舷は、「船首端部ブルワークから3.24メートル、船首端から一五メートルの船体のほぼ中央部1.62メートル、船尾部2.20メートル」との記載がある。そこで、右数値を基に、一般配置図から当時の喫水(船体各部位の深さから乾舷を引いた部分に該当)を計算すると、船首端部喫水1.86メートル、中央部喫水1.88メートル、船尾部喫水1.90メートルとなり、平均喫水は1.88メートルとなる。本船が遵守すべき満載喫水線(平均喫水)は1.819メートルであるから、本船はこれを上回る喫水があったことになる。

第一審裁決は、乾舷が実際に計測され、記録されていることを明らかに見過ごしたのである。

(3) さらに、第一審裁決は、本船転覆直前の操船模様に関しても重大な誤りがある。

第一審裁決は、船橋当直者三名全員が死亡しているにもかかわらず、何ら証拠を示すことなく、事故時点の操船は船長であることを当然の前提として過失を論じている。

また、第一審における理事官・補佐人双方の争点は、一度起き上がった本船が、なぜ二度目には起き上がらず、そのまま沈没をしてしまったのかという点にあり、それに関して複数の鑑定書が提出されたにもかかわらず、第一審裁決はこの点に何ら触れていない。

右は、いずれも法四三条に定められた証拠審判主義を無視した恣意的判断である。

3  仮に、現行法及び規則が、指定海難関係人の第二審請求権を認めていないとすれば、それは憲法三一条、同七六条二項に違反する。

海難審判手続においても、公正な手続保障があって初めて、解明された海難原因が尊重され、事故の再発防止が可能となる。行政・司法手続を初めとする公権力の行使に当たっては、手続的保障がなされていなければならないことは、憲法三一条で保障された重要な基本的人権である。あらゆる公権力の行使に関連し、国民に情報を提供し、手続保障を与えようとすることは、今日の流れからみて抗し難く、あらゆる法律及び解釈が、現在このような視点から再検討・再検証を迫られているのである。指定海難関係人の第二審請求権を否定した前記最高裁判決は直ちに見直されるべきである。

また、法五三条一項、四項、六四条の二によれば、地方海難審判庁の裁決に対しては、訴を提起できず、行政不服申立ての余地もないから、これに対する救済の道は唯一第二審請求のみであるところ、指定海難関係人に第二審請求権がないということは、指定海難関係人は裁決の内容如何にかかわらず、司法機関の判断を求めることが一切できないということとなるから、明らかに憲法七六条二項に違反することとなる。

4  よって、原告は、本件裁決の取消しを求める。

二  請求原因に対する認否、反論

1  請求原因1の事実は認める。

2  同2(一)ないし(四)の主張は争う。

3  地方海難審判庁のした原因解明裁決に対し、指定海難関係人が高等海難審判庁に第二審の請求をすることはできないことは、既に最高裁昭和五三年三月一〇日判決及び最高裁昭和五八年七月一五日判決の判示するところである。

原告が、請求原因2で主張するところは、いずれも既に論議の対象となった内容であって、かかる論議を踏まえた右最高裁判決の判断を覆すに足りる論拠とはならない。

なお、原告が、請求原因2(二)において規則六四条三項について主張するところは、原告独自の見解といわざるをえない。

また、原因解明裁決により、指定海難関係人は何ら権利又は法律上の利益を侵害されるものではないから、同人の原因解明裁決に対する第二審請求権を認めていない法及び規則は何ら憲法三一条に違反するものではない。

第三  証拠関係

本件記録中の書証目録に記載のとおりであるから、これを引用する。

第四  当裁判所の判断

一  請求原因1の事実は当事者間に争いがない。

二  同2について

1  原告は、本件裁決が、指定海難関係人には第二審請求権がないとしたことについて、その判断は誤りであり、取り消されるべきであると主張する。

2 しかしながら、法四六条は指定海難関係人を第二審請求権者として挙げておらず、他に指定海難関係人につき第二審の請求をすることができることを認めた規定はない。

そして、海難審判手続に指定海難関係人を関与させるのは、その者に対し勧告の裁決を行うについて、事前に弁明防禦の機会を与えるという趣旨に出たものと認めるべきであり、右原因解明が適正に行われること自体について指定海難関係人に独自の個人的利益が保障されているものと解することはできないのであって、指定海難関係人の審判手続上の地位は公益の代表者である理事官と同一に論ずることはできない。

また、原因解明裁決は、海難発生の原因を明らかにするにとどまるものであって、一種の事実確認にすぎず、たとえその裁決中で指定海難関係人に不利益な事実が認定されている場合でも、それにより指定海難関係人に何らかの義務を課し又はその権利行使を妨げるものではなく、もとより、当該海難に関する他の民事又は刑事の訴訟等において右不利益事実の存在を確定する効力も有しない。したがって、原因解明裁決によっては、指定海難関係人は、その権利又は法律上の利益を侵害されるものではない。

よって、指定海難関係人には第二審請求権がないというべきであるから(最高裁昭和五三年三月一〇日判決、最高裁昭和五八年七月一五日判決参照)、本件裁決は正当ということができる。

3  これに対し、原告は、まず、指定海難関係人に第二審請求権を認めた明文の規定がないことについて、規則六四条三項の規定は、「第二審の請求があったときは、原地方海難審判庁は、速やかに請求人以外の受審人、指定海難関係人及び理事官にこれを通知しなければならない。」という文言からして、指定海難関係人も請求人になりうることが予定されていると主張するが、同項の規定の「請求人以外の」の文言は「受審人」の文言のみにかかると解されるから、原告の右主張は採用できないというべきである。

また、原告は、要するに、指定海難関係人は、規則により、受審人と同一の審判手続の当事者としての地位を与えられ、海難原因解明のために主張立証活動をすべきものとされている以上、当然に第二審請求権が認められるべきである。また、原因解明裁決によっても、その法律上の利益を侵害されるというべきである上、指定海難関係人の民事・刑事上の利益にも重要な影響を与えるのであるから、第二審請求権を認めるべき利益がある。さらには、本件のように第一審裁決に重大な事実認定の誤りがあるという特別な事情がある場合には、指定海難関係人にも第二審請求権を認めるべきであるなどと、るる主張するが、前項の説示から明らかなように、当裁判所と見解を異にするもので、いずれも採用できない。

さらに、原告は、法及び規則が、指定海難関係人に第二審請求権を認めていないとすれば、憲法三一条、七六条二項に違反すると主張する。しかしながら、指定海難関係人が原因解明裁決により何ら権利又は法律上の利益を侵害されるものではないことは前項に説示したとおりであるから、指定海難関係人に第二審請求権を認めていない法及び規則が憲法三一条に違反するということはできない。また、法五三条一項により、高等海難審判庁の裁決に対する訴えが認められているのであるから、法が憲法七六条二項に違反するということもできない。

以上のとおりであって、本件裁決が誤りであるとする原告の主張は理由がない。

三  よって、原告の本訴請求は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官矢崎秀一 裁判官筏津順子 裁判官彦坂孝孔)

別紙裁決目録<省略>

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