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東京高等裁判所 昭和24年(を新)551号 判決 1950年4月28日

主文

被告人を懲役四月及び罰金参千円に処する。

右罰金を完納することができないときは金二十円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

被告人は厚生大臣の免許を受けた麻薬取扱者でないに拘らず、

第一、小山生三に対し、いずれも東京都板橋区板橋町七丁目二百四十番地にある当時の被告人自宅で、

(一)昭和二十三年二月下旬頃塩酸モルヒネ注射液一c.c.入五本を代金百五十円で

(二)同年三月上旬頃同注射液一c.c.入三本を代金九十円で

(三)同月中旬頃同注射液一c.c.入三本を代金九十円で

各販売し、

第二、中村初太郞に対し、

(一)同年三月初旬頃東京都北区中十条三丁目五番地の一の同人方で塩酸モルヒネ五瓦を代金四千円で

(二)更に数日後前掲被告人方で塩酸モルヒネ五瓦を代金四千円で各販売し、

たものである。

(証拠説明省略)

法律に照らすと被告人の判示各所為は行為時法によれば麻藥取締法第七十四条麻藥取締規則第二十三条第五十六条第一項第一号に裁判時法によれば右法条の外罰金等臨時措置法第二条に該当するが、刑法第六条第十条により軽い行為時法を適用し尚情状により同規則第五十六条第二項に則り懲役及び罰金を併科することとし以上は刑法第四十五条前後の併合罪であるから懲役刑につき刑法第四十七条第十条に則り最も重いと認める判示の(一)の罪の刑に併合罪の加重をし、罰金については同法第四十八条第二項により各罪に付き定めた罰金を合算し、その刑期及び金額の範囲内で被告人を懲役四月及び罰金三千円に処し、尚刑法第十八条により右罰金を完納することができないときは金二十円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置すべく、当審の訴訟費用については旧刑事訴訟法第二百三十七条第一項により全部被告人に負担させることとする。

仍て主文のとおり判決する。(昭和二五年四月二八日東京高等裁判所第五刑事部)

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