東京高等裁判所 昭和24年(を)1596号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
原判決は判示第一第二の犯罪事実(賭場開帳)を認定し被告人の原審公判廷における供述の外、その補強証拠として検察官作成の小林某の供述調書を挙示している。しかし右小林某の供述調書の内容を検討すると右供述は凡べて判示第一の犯行のみに関するものであつて判示第二の犯行については一言半句もこれに触れていない、而も右第一及第二の各犯罪事実は刑法四五条前段の併合罪であることは判文上明らかである。して見ると前記小林某の供述調書は原判示第一の犯罪事実に関する被告人の自白を裏付ける証拠とはなるが、少くとも被告人の自白による原判示第二の犯罪事実認定の補強証拠たりえないといわねばならぬ。更に又右の如く適法な証拠により認めうる原判示第一の犯罪事実自体を以てこれを別個独立の原判示第二の犯罪事実認定の一資料となしえないこと勿論であるから、結局原判決は原判示第二の犯罪事実を認定するに当り、被告人の原審公廷における自供のみによりこれを認めたことに帰着するから原判決は破棄を免れない。