大判例

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東京高等裁判所 昭和24年(を)2651号 判決

一、原審第一回公判調書中被告人有賀太郎、原審相被告人岡崎建吉の各供述記載

一、原審第二回公判調書中証人中村三郎の供述記載

等をそう合するときは、被告人有賀太郎は、被告人会社内において、形式上は前示のような職務に従事することにはなつていたけれども、実際においては、同人の取扱事務についても、支配人たる岡崎建吉がその決裁権を握つていて、同人の許可なしには、何事もできない実情にあつたこと、及び、本件起訴にかかる生糸等の数量報告、並びに隠匿物資等緊急措置令による報告についても、いずれも、その当時、右岡崎に対し、法規に基ずく報告書の提出方を進言したけれども、かような問題につき、事実上の決裁権をもつていた同人によつて拒否されたため、法定期間内に、所定の各報告書を提出することができなかつたものであることが認められるので、ひつきよう、被告人会社の業務に関する右各報告書提出義務の違反は、被告人有賀の責に帰すべき事由によつたものではないと認めるのが相当であつて、結局、被告人有賀に対する前掲公訴事実の全部、及び、同被告人の行為に基ずく被告人会社の隠匿物資等緊急措置令違反の点は、いずれも、犯罪の証明がないことに帰するから、刑事訴訟法施行法第二条、旧刑事訴訟法第四百七条第三百六十二条に則り、無罪の言渡をすることとする。

よつて、主文のとおり判決する。

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