大判例

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東京高等裁判所 昭和24年(新を)3499号 判決

それぞれ売渡したものであるという事実を認定し、適条として臨時物資需給調整法第一条、第四条、附則第二項、指定生産資材割当規則第八条、刑法第十八条、第四十五条前段、第四十八条第二項を挙示していること、並びに生糸は昭和二十四年七月一日農林省、通商産業省令第二号により指定生産資材割当規則附表第一より除外せられ同省令は即日施行せられたことはいずれも所論のとおりである。原審が適条として前記のように臨時物資需給調整法附則第二項を挙示したのは本件判決言渡当時である昭和二十四年十一月十六日には前記のように生糸が既に指定生産資材割当規則附表第一より除外され、自由に取引ができることになつていたのであるが、臨時物資需給調整法並びに同法に基いて発せられる指定生産資材割当規則その他の法令はいずれも所謂限時法であるから、犯罪後生糸の配給統制が撤廃されても、それ以前になした配給統制違反の所為は、行為当時の法令の適用を受けて処罰を免れないものであるということを明らかにするためであろうと推測される。しかしながら臨時物資需給調整法附則第二項は、同法自体が効力を失うに至つた場合にその時までになした行為に対する罰則の適用については、同法はその時以後もなおその効力を有することを規定したものであつて、同法第一条の規定に基いて発せられる命令が犯罪行為の行われた後に廃止されたような場合に適用せられるものであるという趣旨を直接に規定したものでないことは附則第二項の文言自体に徴して明らかである。

従つて原審が本件の場合に臨時物資需給調整法附則第二項を適用したのは厳密に云えば法令の適用を誤つたものである。しかしながら同法並びに同法第一条の規定に基いて発せられる命令にいずれも限時法の性質を具有するものであることは臨時物資需給調整法第一条及び同法附則第二項等の規定の趣旨に徴し明瞭であるから、生糸の配給統制が本件犯行後廃止せられたことは前記のとおりであるけれども被告人の所為は限時法の理由によつて処断を免かれないものであるから、右原判決の法令の適用についての違法は結局判決に影響を及ぼさないものと認めるを相当とするから論旨は理由がない。

(註 本件は量刑不当にて破棄自判)

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