東京高等裁判所 昭和24年(新を)771号 判決 1950年5月06日
被告人
斎藤昌根
主文
本件控訴はいずれもこれを棄却する。
理由
論旨第一点について。
原判決挙示の証拠によると、被告人山田が、原判示日時、場所において、拳銃一挺、及び実砲七発を所持していたものであることは、これを認めるに十分である。新刑事訴訟法は所謂アレインメントを認めていないことは所論の通りであるが、被告人が公判廷における、起訴状の事実をその通り相違ない旨供述したものは、公判廷における自白として証拠能力のあるものである。又公判廷で、証拠物を押収し、その目録を調書の附録としてこれに添附する場合は、目録と調書との間に契印すべきものであるが、これがないからと云つて、直ちに調書が無効となつたり、差押が無効になつたりするものではない。しかも証拠物自体の証拠力は、調書の有効無効差押手続の有効無効に影響せられるものではない。論旨はいづれも理由がない。