東京高等裁判所 昭和25年(う)1146号 判決
食糧管理法施行規則第一条第二項によれば、市町村長は生産者が食糧管理法第三条第一項の規定により、政府に売り渡すべき米麦等の数量を遅滞なく当該米麦等の生産者に通知すると共にこれを公示しなければならないことになつているけれども、右通知の方式については法令上特段の定めがないのであるから、該通知は必ずしも市町村長より当該生産者に対する要式の書面によるとか、あるいは、該書面と引換に生産者の捺印を徴するとかいうような厳格な方法に拠ることを要しないものと解すべきである。ところで、記録に徴すると、被告人は本件において右供米の通知があつたことは終始一貫これを肯認しており、ただ被告人に対する供米の割当量が過大であると言つて争うのに過ぎないことが認められるから、所論被告人に対する供米の割当通知は適法に行われたものというべきであるのみならず、原判決挙示の各証拠を綜合すれば原判示割当数量は被告人の実收高の範囲内であつたことが認められるから、論旨は理由がない。