東京高等裁判所 昭和25年(う)3673号 判決
本件公訴事実は刑法第二三八条所謂準強盜として起訴されたところ原審は証拠調の結果これを単に窃盗に過ぎないと認めたことは所論の通りである。しかし、準強盜は窃盜が現場において一定の目的を以て暴行脅迫を加えたという事実を包括して強盜を以て論ずるに過ぎない。従つて原審が起訴状記載の所為中一定の目的を以つてする暴行脅迫を認めないで単にその窃盜の成立のみを認めた場合には、該暴行脅迫は起訴に係る包括一所為の一部に過ぎないから、特に判決に於てその無罪である旨を所論のように明確にする必要もないし、これがため所論のように審判の請求を受けた事件について判決をしないという違法もない。この理は立証過程に於て所論のような論議が弁護人と検察官の間になされたという事実によつても左右されるものでもない。論旨理由ないものである。