大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(う)4748号 判決

然し乍ら、本件起訴状記載の公訴事実は、孰れも、単に鮮魚の交付を受けてこれを喝取したというのではなくして、訴因(罰条)の追加請求書記載の各買受代金に該当する金額を掲げ、同金額に相当する売買名義の下に鮮魚を交付せしめてこれを喝取したものであるとしているのであつて、訴因(罰条)の追加請求書記載の事実は毫も起訴状記載の公訴事実にない事実ではなく、而も売買名義をもつてした右代金額は何れも昭和二十三年七月二十三日物価庁告示第五百十四号所定の統制額を超過していることが明瞭であるから、起訴状には単に売買名義とあるに過ぎないにしてもその実真に売買をしたものであることが判明するにおいては、それが法定の除外事由なく営利の目的をもつてしたものである限り到底物価統制令違反の罪はこれを免かれ得ないところであるから検察官において訴訟の経過に鑑み、右を慮り、本件訴因(罰条)の追加請求をしたことは、訴訟経済の上から言つても寧ろ当然の措置であり、原審が敢てこれを許容したからといつて公訴事実の同一性を害してその追加を許したものであるということはできない。

而もこれが追加請求については原審弁護人において異議のない旨陳述し、被告人等においてもこれに対し異議を述べた事跡は毫もなく、記録を精査するも被告人等の防禦に実質的な不利益を生じた跡も亦これを認むるを得ない。論旨は理由がない。

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