東京高等裁判所 昭和25年(う)5126号 判決
被告人が昭和二四年一一月一六日宇都宮地方裁判所で賍物寄蔵罪により懲役一年及び罰金三千円に処し四年間右懲役刑の執行を猶予する旨の判決(同年十二月一日確定)を受けた事犯以前の、昭和二二年一〇月二六日頃の賍物運搬の所為について、原審が被告人を懲役一年及び罰金千円に処し、四年間右懲役刑の執行を猶予する旨の判決を言渡したことは、所論の通り記録に明かであるが、右のように刑法第四五条後段の併合罪につき同法第五十条に則つて更に処断する場合は、仮に右両事件が併合審判され一箇の裁判に於て科刑せられるとき同法第二五条所定の資格制限に適応しないことを考慮し、之との権衡上、情状によつては更に其の刑の執行を猶予するを得るものと右資格制限に関する法条を解することの妥当であることは、刑法が第五一条末段に於て二箇の刑を言渡併科することに胚胎する不当を調整していることの趣意からしても之を認め得られるから、原審には右第二五条の解釈を誤つて之を適用した違法はなく、此の点に関する論旨は理由がない。