大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(ネ)1321号 判決

控訴代理人は、「原判決を取り消す。控訴人がした特許第一〇〇八六八号綿糸併列装置の特許権存続期間延長出願に対して、被控訴人(当時の商工大臣水谷長三郎)が昭和二十二年十月十六日なした『延長を許可しない』旨の決定は、これを取り消す。訴訟費用は、第一、二審とも、被控訴人の負担とする。」との判決を求めると申し立て、被控訴人代理人は、主文同旨の判決を求めた。

当事者双方代理人の事実上の陳述並びに提出援用した証拠及びこれに対する陳述は、当審にいたり新たに、控訴代理人において甲第十号証、第十一号証の一ないし五を提出し、検証の目的物検甲一及び同二についての検証の結果を援用し、被控訴代理人において、乙第一号証を提出し、それぞれ相手方の提出にかかる文書の成立を認めると述べた外、全部原判決の記載と同一であるから、これを引用する。

三、理  由

当裁判所は、本件について慎重に審議を重ねたが、特許法第四十三条第五項、特許法施行令第一条の規定による特許権存続期間延長の出願に対し、通商産業大臣がなす許否の決定は、結局、原判決が詳細に説明しているのと同一の理由により、通商産業大臣が国家の産業行政、特許行政の見地から、自由な判断に基いてなすべき、いわゆる自由裁量処分であると解するのを相当とし、かつ、控訴代理人が当審にいたり新たに提出援用した全証拠によつても、被控訴人のなした決定が、自由裁量の限界を越え、法の目的に反したものであるとは認めることができないから、原判決の理由を引用し、控訴人の請求は理由なくこれを棄却すべきものとする。

よつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却すべく、控訴費用の負担について、民事訴訟法第八十九条を適用して、主文のように判決した。

(裁判官 小堀保 梅原松次郎 原増司)

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