大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)1039号 判決

原判決挙示の証拠によれば原判決認定の事実を認めるに充分である。原判決は本件拳銃に所論のような折損のあつたことはこれに符合する被告人浜田の原審公判供述を措信せず、これを認めなかつたところである。しかし原判決は仮定的に若し所論のような折損があつたとしても、その修理に要する日数は五、六日、費用は約三千円と認めて、右折損は修理を施せば機能を回復し得るもので拳銃としての本質を失うに至つたものでないと認めているので、その当否につき検討するに、原判決挙示の証拠によれば本件拳銃に所論のような折損があつても五、六日の日数と約三千円の費用をかければ修理可能と認めるに充分である。所論は当時の設備資材の不足等一般社会情況より見れば修理は不可能であつたと主張するが本件記録に徴してこれを認めることはできない。尤も原審が取り調べた証拠に現われた事実によれば、被告人浜田は後日本件拳銃を解体してその部分品を自己の業務とする他の拳銃の修理に用いている事実が認められるがこれによつて本件拳銃が修理不能のものであつたと認めることはできない。

次に所論は本件のように千五百円か二千円で売買されたものに三千円の修理費を要するようなことは容易に修理ができるものとはいえないと主張するが、なるほど千五百円か二千円で買い受けたものに三千円の修理費がかゝるということは容易に修理ができるものではなく又一時的小故障とも認められない。しかし少くとも右のような費用をかければ修理ができるのであつて、かような費用をかけて修理する場合でも通常の修理と解すべきであるから本件を銃砲等所持禁止令にいう拳銃と認めるに十分である。その他原審が取り調べた証拠に現われた事実によつても原判決の認定に誤認があるとは認められない。

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