東京高等裁判所 昭和26年(う)1526号 判決
本件取引高税の納付義務は、所論のように申告が行われ且つその額が税務署との交渉により確定した時にはじめて発生するものではなく、被告会社が取引金額を領収したその都度、その取引金額の百分の一の金額について発生したものであると解すべきことは、取引高税法の規定に照らし明らかである。所論引用の判例はいずれも本件には適切ではない。次に原判示のとおり二重帳簿を作成したことは本件取引高税をも免れ又は免れようとして行つた不正の行為であることは、原判決挙示の証拠によりこれを肯認するに十分であり、記録に徴しても右認定が誤であると思われる廉はない。また税金に関する申告が虚偽に基くとか或は脱税の目的で種々の手段が構ぜられることはほとんど社会常識であるから、本件の場合特に犯罪を構成するものとするのは社会常識上許すことができないとする所論が採用の余地のないことは論をまたない。
論旨はいずれも理由がない。