東京高等裁判所 昭和26年(う)1914号 判決
外国人登録令第十二条第二号(但し改正後は第十三条第一号)に該当する同令第四条第一項所定の外国人登録申請義務違反の所為は法定の期間内に当該居住地の市区町村長に所要事項の登録申請をしなかつた時に所謂犯罪の着手があり且つ同時に成立する犯罪であつてなおその登録申請義務は依然存続する犯罪であるから所謂公訴の時効の起算時を判定する場合は格別刑法第五十六条第一項の適用ありと為す前科は右犯罪行為の着手前五年内に該懲役刑の執行を終り若しくはその執行の免除ありたることを要すべきことは多言を俟たないところである。然るに原判決によると被告人は外国人として昭和二十二年五月本邦内に居住して居たに拘らず法定の期間内に当時の所轄東京都文京区長に登録申請をしなかつた旨を認定しながら、右所謂不申告罪成立後における昭和二十三年十一月十六日東京地方裁判所において窃盜罪によつて懲役一年に処せられその執行を終つた前科を刑法第五十六条第一項に該当するものとして同法第五十七条を適用して累犯の加重をしているものであるから明らかに判決に影響を及ぼすべき法令の適用を誤つたものと為さざるを得ない。従つて論旨は理由がある。