大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2402号 判決

然し乍ら、法が冒頭陳述を要求する所以は、犯罪事実が複雑多岐にしてその如何なる部分の事実につき立証するのか明理ならざる場合に、これを明らかにし、因つて以つて一面裁判官の証拠決定の判断の資料に供し、他面被告人に防禦の機会を与うるにあるものと解すべきを相当とする。然るに本件公訴事実の如く極めて簡単なる事件については、立証事項は自ら判明するものと謂うべく、本件において検察官が「本件公訴事実を立証するため」と陳述している以上これを以つて刑事訴訟法第二百九十六条の要件を充したものと認めるを相当とすべく、而して斯く解するも被告人に寸毫も不利益な結果をもたらすことはないと認められるから、論旨はその理由がない。

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