大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2504号 判決

所論に、証人高田文男の証言内容は被告人から聞いた事実を高田から伝聞したものであるとあるは、昭和二十四年一月二十四日日本橋小伝馬町喫茶店花柳で高田文男、山田理男、歌川等が集合した際検察事務官たる被告人が高田文男を屋外に呼び出しその肩書あるを奇貨として同人等の闇取引を曝露して同人等を検挙するが如き言動をもつて金三万円を要求したところから、高田は、直ちに屋内に入つて山田理男にその旨を告げてその要求に応ずるに至つた顛末における右山田が高田から聞いた被告人の威嚇的言動の内容についての供述を指称するものと思料されるが、仮令右供述部分が所論伝聞証拠に属するとするも、被告人の右脅迫的言動に直接接した高田文男自身も原審において喚問され、被告人及び弁護人において充分その反対尋問を尽しているのみならず、右高田の供述中所論で非難する右供述部分を除くもこれを証拠として採用するに充分なものがあるから原審が、原審における同証人の証言を採用して原判示事実を認定したからといつて何等批議さるべき限りではない。

論旨は採用し難く理由がない。

同第五点1乃至3について。

(前略)

なお、証人尋問における誘導尋問は、これを許容すべき合理的な根拠のある場合の外は原則として禁止さるべきではあるが証人が尋問された事項につき記憶を失いその内容につき証言するを得ないような場合これを許容すべきは実体的な真実発見の上から決して禁止さるべき限りではない。従つて原審が高田文男の証人としての尋問に当り、その尋問事項につき、記憶の不鮮明なことが明らかとなり、充分これが事項につき証言できないところから、その記憶を呼び起して事実を明らかにするため同証人が先に裁判官にした証人尋問調書の供述内容を読み聞けたからといつて、何等違法とすべきではない。

論旨は理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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