大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2562号 判決

納税義務者の確定申告に係かる所得金額が、該申告による所得額について政府の更正決定があつた場合これに対する納税義務者の再調査の請求があつて、これが調査の結果その請求金額について理由ありとする誤謬訂正決議書が作成されて、上司の決裁に附された事実がある以上、これに対する決裁がなくとも、当該年度における所得金額は右確定申告に係かる所得金額に確定するとの主張は、所得税法所定の各規定全般の趣旨に照らしその理由がない。従つて右主張を前提とする論旨は採用するに由がない。

而して亦、法令及び原判決挙示の証拠によるも、被告人は納税義務者の確定申告に対する政府の更正決定があつた場合、仮令これに対する納税義務者の調査の請求があつて、これに対する調査の結果右確定申告による所得金額を相当とする誤謬訂正決議書が上司の決裁に附された事実があつたとしても、未だその決裁なき以上、納税義務者の請求により右確定申告による所得金額をもつて当該年度における所得金額である旨の証明書を作成交付すべき権限のないことが明らかであり、原判示にはその表現において稍妥当を欠くものがないではないが原審は右趣旨の無権限を根拠として公文書偽造、同行使の事実を判示した趣旨であることを窺うことができるから、被告人に原判示証明書作成の権限があつたとして公文書偽造、同行使の罪は成立しないと主張する論旨も亦その理由がない。

要するに、原判決にはその挙示する証拠及び記録に照らし判決に影響を及ぼすべき法令の違反もなければ、事実の誤認もない。論旨はすべて理由がない。

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