東京高等裁判所 昭和26年(う)3570号 判決
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(判旨)
刑法第一二六条第一項の汽車電車顛覆罪につき犯意ありとするには、犯人がその行為によつて汽車電車が顛覆することを認識していたことを必要とすることはいうまでもない。しかしこの認識は必ずしも確定的であることを要しない。未必の故意と雖も故意の一種であり、これによつて犯人に犯意ありとするに妨ないところである。けれども犯人の行為によつては顛覆の結果を生ずる蓋然性の極めて低いときには汽車往来危険罪の成立するには格別顛覆罪の成立を認められる余地は乏しいものといわなければならない。もし、そうでないとすると、実害犯たる刑法第一二六条第一項の犯意と危険犯に過ぎない同法第一二五条第一項のそれとの間に実質的に何等差異を認められないこととなるに至るからである。