東京高等裁判所 昭和26年(う)3757号 判決
被告人 飯山芳太郎
〔抄 録〕
論旨第三点及び第四点について。
しかし、税務代理士法第一条にいわゆる「他人ノ委嘱ニ依リ税務官庁ニ提出スベキ書類ヲ作成シ」というのは、所論のように他人の委嘱によつて納税義務者の資産や事業の内容までも検討した上これによつて得た資料を基礎として税務官庁に提出すべき書類を作成することは勿論、原判示のように他人の委嘱によつて当該書類を代書することをも包含するものと解すべきであり、同法第二十一条にいわゆる「税務代理士業ヲ行ヒタル者」たるには、反覆継続の意思をもつて同法第一条所定の行為を為せば足り、他に該行為が営利の目的に出でたものであること、その他の要件を必要としないものと解せられるから、その委嘱者が原判示のようにある会の会員たる資格を有するものに限られており、しかも受嘱者がそれ等会員の需に応じ税務官庁に提出すべき書類を無料で代書したに過ぎないとしても、かかる事実は同法第二十一条所定の犯罪の成否については何等の影響がないものといわなければならない。それ故、原判決には所論の違法はなく、論旨は理由がない。