東京高等裁判所 昭和26年(う)413号 判決
被告人 庄内勇
弁護人控訴趣意第一点について。
よつて按ずるに、少年法第六〇条第一項の規定は旧少年法第一四条第一項の規定と同一であつて、こゝにいう人の資格に関する法令とは例えば一定の刑に処せられた者は選挙権、被選挙権を有しないとか、公務員或は弁護士となることができないとかを定める公職選挙法第一条、国家公務員法第三八条、或は弁護士法第六条の各規定のような法令を指すものであつて、刑の執行猶予に関する刑法第二五条又は累犯に関する刑法第五六条、第五七条のような規定はこれに該当しないものであることは大審院判決(大正一五年(れ)第三二六号事件、大正一五年六月三日同院第四刑事部判決参照)の示すところであり、このように解するについては憲法第一三条の法意にも少年法制定の趣旨にも反するものではなく、当裁判所もこの見解を正当と認める。
しかし本件記録によれば、被告人の前刑は昭和二三年二月一六日判決が確定し、同日からその執行を受け始め、昭和二四年一二月二九日仮出所により釈放されていることが明白であるから、暦日の計算上被告人の本件各犯行当時は少年法第五九条第二項の規定による期間の経過前であること又明白で、本件犯行は右刑の執行を受け終つた後の犯行とはならないのである。
しかるにこれに対し刑法第五六条、第五七条を適用して累犯加重をした原判決は、事実を誤認したか、或は法令の解釈適用を誤つたかの、いずれかであつて、この違法はもとより判決に影響を及ぼすものであるから、結局論旨は理由があり、原判決は破棄すべきものである、