大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)4138号 判決

記録を閲するに原審検察官より昭和二十六年三月三十日附を以て本件公訴の提起と同時に省略式命令の請求をなし、同月三十一日原裁判所において被告人を罰金二万円に処する旨の省略式命令が発せられ、該命令の謄本が同年四月十八日被告人に送達されたところ同月二十一日被告人より正式裁判の請求をしたこと、右につき同月二十三日原裁判所より検察官にその旨を通知したこと、次で本件起訴状(省略式命令請求書)謄本が同年七月四日被告人に送達されたことは何れも所論のとおりである。而して省略式命令に対し適法な正式裁判の請求があつたときは通常の規定に従い審判しなければならないので、この場合には刑事訴訟法第二百七十一条の規定が適用されることとなり、その結果少くとも裁判所が検察官に対し正式裁判の請求があつた日若くはその旨の通知をした日から二箇月以内に起訴状即ち省略式命令請求書の謄本が被告人に送達されなければ公訴の提起はさかのぼつてその効力を失うものと解するのが相当である。然るに本件においては右通知のあつた日から起算するも二箇月以内に省略式命令請求書の謄本が被告人に送達されなかつたこと所論のとおりであるから本件公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失つたものと断ぜざるを得ない。従つて原審は須らく公訴を棄却すべきに拘らず、そのまま審判をしたのは不法に公訴を受理したものであつて、論旨は理由があり、爾余の論旨に対する判断を俟つまでもなく、原判決はこの点において破棄を免れない。

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