東京高等裁判所 昭和26年(う)5371号 判決
所論古物営業法附則第四項の規定は、同法施行の際古物商取締法又は古物商取締法細則の規定により許可を受けている者は古物営業法による許可を受けた者とみなされるけれども、それは同法施行後三月以内に同法第十条第一項の規定による許可証の交付を受けることを条件とするのであつて、若し右期間内に所定の許可証の交付を受けなければ従前の許可はその効力を失うとの趣旨に解すべきことは文理上並に同法制定の目的に鑑み疑のないところである。而して古物商取締法により許可を受けた古物商たる職業上の身分が、いわゆる一種の既得権に類することは所論のとおりであるけれども、同法律が改正されて古物営業法となつた結果、旧法による古物商を新法による古物商に切り替えるためには相当の期間を限り該当者をして一定の条件を履行せしめることとし、その履行なき場合において従前の地位を失わしめる方途を選むことは洵に己むを得ない取締上の要請に基くものであり、これを以て所論のように憲法の保障する営業の自由を侵害するものと云うことはできない。
論旨は理由がない。