東京高等裁判所 昭和26年(う)734号 判決
記録を査閲すると本件記訴前の所論勾留並びにその期間の延長について本圧簡易裁判所裁判官関根喜平の発布した勾留状二枚が綴られており、その記載によると、一定の被疑事実につき正当な請求に基いて該勾留状が発布せられ、その期間が相当の理由によつて延長せられ、且つそれ等が適法に執行せられたことが認められる。尤も右勾留状の発布及びその期間の延長について所論の諸手続が行われたことを一々証明すべき書類は記録に綴られていないことは所論の通りであるけれども、此等の書類が記録に綴られないのは通常の事例である。蓋し此等の手続が行われるのは通常当然のことであつて、その結果発布せられた適式の勾留状が存する以上勾留に関する必要手続は正当に行われたものと推定するのを相当とするからである。従つて本件においても所論諸手続が適法に行われたものと推定することができ、これに対するいかなる反証も記録上発見し得ない。
即ち本件における所論勾留及びその期間の延長の決定には憲法第三十四条其の他所論諸法令規則に違反した廉を認め得ない。
論旨は理由がない。