東京高等裁判所 昭和26年(う)898号 判決
原判決は本件につき併合罪たる二個の窃盜行為を認定し且つ被告人にはこれらと累犯関係ある公務執行妨害、傷害、窃盜、詐欺罪ありと摘示して之に対する法規を適用するに当り、先ず累犯加重の関係において刑法第二百三十五条第五十六条第五十七条の外に同法第十四条をも適用しながら、却つて次に併合罪加重の関係において同法第四十五条前段第四十七条第十条を適用したに止まり加重の結果二十年を超ゆる場合の制限規定たる同法第十四条を適用せざりしこと原判決自体において明白である。而して右の如く初め累犯加重の際適用された第十四条は不必要なる適条を為したに過ぎず、これにより併合罪加重の場合の同条適用の欠缺を補足する効果は認め難いから、その結果本件は累犯及び併合罪の加重により長期三十年の範囲内において量刑することとなり、而してこの法令適用の誤りは判決に影響すること明らかであるから、原判決は此の点において破棄を免れない。
論旨は理由がある。