東京高等裁判所 昭和26年(ネ)1215号 判決
しかるところ、控訴人鬼塚昌停は昭和二十三年四月二十八日訴外久世広武より前記宅地を買受け、中央運輸株式会社は昭和二十五年二月三日更に鬼塚より右宅地を買受けたものであるが、同会社は昭和二十六年六月十九日その商号を中央運輸倉庫株式会社と変更し、昭和二十九年五月十七日破産宣告を受けて弁護士高橋潔が破産管財人に選任されたこと、控訴人三興産業株式会社が主文一(二)掲記の建物を、控訴人鬼塚昌停が同(三)掲記の建物を各所有し、右破産会社及び控訴人水野清治が右(二)の建物を、同破産会社が右(三)の建物を各占有し、それぞれ右各建物の敷地たる主文掲記の部分の本件土地を占有していること並に右破産会社が本件地上に一(四)の板塀を設置して土地を占有していることは、凡て当事者間に争がない。しかして以上の事実関係に徴すれば、被控訴人等は罹災都市借地借家臨時処理法第十条の規定に基き、罹災建物の敷地たる本件宅地の借地権を以て、法定期間内に右借地につき権利を取得した控訴人鬼塚及び破産会社に対抗しうべく、被控訴人等の借地権を争う者に対してはその権利の確認を、また右借地上に建物その他の物件を所有若しくは占有して、土地を不法に占有する者に対しては借地権に基き直接に建物の収去若しくは退去並に敷地の明渡をなすべきことを求めうるものというべきである。
(薄根 奥野 古原)