大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(ネ)1714号 判決

控訴代理人は、原判決を取消す、昭和二十三年政令第二百一号は無効であることを確認する、被控訴人が昭和二十三年十月一日控訴人藤井静雄に対してなした解雇処分を取消す、訴訟費用は第一、第二審共被控訴人の負担とするとの判決を求め、被控訴代理人は本件控訴を棄却するとの判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張は原判決の事実摘示と同一であるからここにこれを引用する。(各証拠省略)

三、理  由

本件解雇処分につき改正前の国家公務員法第八十五条の規定の適用があるか否かにつき案ずるに、同法第八十五条の規定については同法附則第一条は昭和二十三年七月一日からこれを施行する旨及び法律又は人事委員会(後に人事院と改まる)規則(後に指令も加わる)の定めるところにより実行可能な限度においてこれを適用する旨が規定されている。しかるに、同法第八十五条の規定につき同法則第一条にいわゆる法律規則等の制定を見ることなく昭和二十三年十二月三日には改正後の国家公務員法が施行され、これにより改正前の国家公務員法第八十五条の規定は改められるに至つたことが明である。しかも改正後の国家公務員法の施行と共に官吏懲戒令が廃止されたこと、及び昭和二十四年一月四日には特に改正後の国家公務員法第八十五条を適用する旨の人事院規則が施行されたことが明であるところ、これらの経緯に徴すれば本件解雇処分がなされた昭和二十三年十月一日当時には尚官吏懲戒令が行われ改正前の国家公務員法の懲戒に関する規定、従つてその第八十五条の規定もその適用を見る状態にはなかつたと解することを相当とする。以上の点を附加訂正する外、原判決の理由と同一の理由で控訴人等の本訴請求を失当と認める。よつて原判決の理由を援用する。然らば控訴人等の本訴請求を排斥した原判決は相当であつて本件控訴はいずれも理由がないから民事訴訟法第三百八十四条第八十九条第九十五条を適用し主文のとおり判決をする。

(裁判官 岡崎隆 奥野利一 裁判官松田二郎は差支につき署名捺印することができない。裁判官 岡崎隆)

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