大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(ネ)248号 判決

控訴人代表者は、「原判決を取り消す。被控訴人が控訴人に対し昭和二十四年八月二十二日納付書領収済通知書領収証書の送付により昭和二十四年度取引高税一万九千八百六十一円、間接国税犯則者納金三十九万七千二百二十円、弁償金八十三円合計金四十一万七千百六十四円の納付を命じた処分の無効なることを確認する。訴訟費用は第一、二審共被控訴人の負担とする。」との旨の判決を求め、被控訴代理人は、控訴棄却の判決を求めた。

当事者双方の事実上の主張は、控訴人代表者において、「控訴人は宗教法人であるから本来取引高税の納付義務がないものと確信しているのであるが、被控訴人はこれありとして昭和二十四年八月九日附通知書を送付して来たので、同月十一日袋井郵便局を通じ取引高税と称する金一万九千八百六十一円を納付した。しかるに被控訴人は、それにもかかわらずなおも控訴人に対し請求の趣旨記載の納付書、領収済通知書、領収証書を送付し取引高税、間接国税犯則者納金及び弁償金合計金四十一万七千百六十四円の納付を命じて来たが、固よりこれは無効であるので本訴においてこれが確認を求める。なお、本訴は、右納付下命処分の無効確認を求めるもので、原審で求めたような昭和二十四年八月九日附通知書に基く租税の賦課並びにこれに附帯する処分の無効確認を求めるものでない。」とのべ、被控訴代理人において、「控訴人の右主張事実中、控訴人が昭和二十四年八月十一日取引高税一万九千八百六十一円に相当する金額を納付したこと、並びに被控訴人が同年八月二十二日控訴人に対し納人を控訴人とし控訴人主張のような金額の記載ある納付書領収済通知書領収証書を送付したことは認める。しかしながらこれ等書類は、磐田税務署員が控訴人のため控訴人に代つて作成送付したものであつて、これにより取引高税を賦課したり又は間接国税犯則者納金、弁償金の納付を命じたものでないから、行政処分ということができず、従つて行政訴訟の対象とならない。」とのべた外、原判決事実摘示と同一であるから、ここにこれを引用する。(立証省略)

三、理  由

被控訴人が昭和二十四年八月二十二日控訴人に対し納人を控訴人とし昭和二十四年度取引高税一万九千八百六十一円、間接国税犯則者納金三十九万七千二百二十円、弁償金八十三円、合計金四十一万七千百六十四円と記載した納付書、領収済通知書、領収証書を送付したことは当事者間に争のないところである。控訴人は、これ等書類の送付を目して被控訴人のなした行政処分である納付下命であるとなし、これを無効なりとしてその確認を求めているのであるが、納付書は納税者が納税の際作成するものであり、領収済通知書は取まとめ郵便局その他税金徴収の委託を受けたものが税務署に対し領収済の旨通知するものであり、領収証書は現実納付を受けたものが納税者に対し交付するものであつて、これにより格別税金を賦課したり納付を命じたりするものでないから、被控訴人がこれ等の書類を作成し控訴人に送付したからといつて直ちにこれを納付下命であるとなし控訴人の具体的納税義務に影響を及すべき行政処分であるとなすは当らない。これはむしろ被控訴人が納入の便宜のため作成送付したものと認めるのが相当である。これは申告納税である取引高税の納付の場合一層適切である。固より控訴人が右納付書に記載せられた金額を納付すべき義務ありや否は別個の問題であつて控訴人としては他にこれを争うの途はのこされている訳である。

果して然らば、控訴人主張の本訴の対象たる行政処分は、はじめから存在しないのであるから、これに対し出訴することはできない。従つて本訴はこれを不適法なりとして却下すべく、右と同趣旨にでた原判決は相当であつて控訴人の控訴は理由がないから、民事訴訟法第三百八十四条、第八十九条を適用し主文のとおり判決した。

(裁判官 大江保直 梅原松次郎 奥野利一)

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