大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(ネ)928号 判決

先ず被控訴人の形式上の抗弁につき案ずるに、原審において、控訴人が、当初同人と被控訴人先代古高庄蔵間の買戻附売買契約に基き、別紙第一目録記載の土地の買戻請求による引渡を求め、その後に至り、右契約を仮装の売買契約なりとし、これに基き、右土地の返戻を求めたことは記録に徴して明白であるから、請求原因の変更となることは疑を容れないが、両者は右土地の引渡を求める点において一致し、この点においては何等の変更がないから、右請求原因の変更は、請求の基礎を変更したものとは認め難い。しかも、記録によると、控訴人は、昭和二十二年四月二十四日附同日提出の釈明書をもつて、右土地の返戻請求は、控訴人と被控訴人先代古高庄蔵間の売買契約に基くものであることを明らかにしているのであつて、右釈明書の記載事項は、昭和二十三年三月二日午前十時の原審口頭弁論期日において陳述されているのである。しかも、当時訴訟は、控訴人から甲第一号証、第二号証の一ないし三、第三号証の一、二の提出、証人古高其一、樋口与三郎、樋口小春の尋問の申出があつたに過ぎず、右甲各号証に対する被控訴人の認否もなく、又右証人の尋問も行われていなかつたのであつて、原審における口頭弁論期日は、その後二十五回開かれ、当事者双方の主張及び証拠調を経て、昭和二十六年三月二十日午前十時の口頭弁論期日において、弁論が終結されているのである。そして、当審においては、控訴人は、当初から、仮装の売買契約を事由として前記土地の返戻を求めているのである。してみると、控訴人のなした請求原因の変更は、これがため、訴訟の完結を遅延せしめるものとは到底いい得ない。従つて、控訴人の右抗弁は採用するに値しない。

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