大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(ラ)303号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

「事實〕

原裁判所は、抗告人を仮処分債権者、相手方を仮処分債〓者とする前示仮処分申請事件につき、

1、普通貨物自動車いすず号四七年型一輛、同附属品一式に対し、自動車所有権確認並びに引渡請求事件の判決確定に至るまで被申請人はその売買、讓渡、質入、抵当権設定、賃貸借その他一切の処分行為をしてはいけない。

2、右物件に対する被申請人の占有を解き、これを申請人の委任する水戸地方裁判所執行吏の保管に付する。

3、右執行吏は保管に関し、適当な処置を執り得る。

4、被申請人が金十万円を供託するときはこの決定の執行の停止、又はその執行処分の取消を求めることができる。

旨の仮処分決定をした。その後相手方において、前記仮処分決定に示された金十万円を供託したことを理由に仮処分決定の執行取消を申請したため、原審は前記仮処分決定にもとづく執行取消の決定をした。右決定に対し抗告人は抗告の申立をなし、その理由として、抗告人(假處分債權者)は本件貨物自動車の現状が変更せられることによつて抗告人の権利の実行が妨げられ、若しくは著しく困難となるおそれがあるため本件仮処分の執行をしたのであるから、その執行を取消すには口頭弁論を開き、審理をつくした上判決をもつてなすべきであるのに口頭弁論も開かないで執行取消の裁判をしたのは不当である。と主張した。

〔判斷〕

抗告棄却。その理由はつぎの通りである。

「仮処分により保全せられる権利が、金銭的の補償をもつて終局の目的を達し得るものと認めたときは、民事訴訟法第七五六条、第七四三条により、仮処分決定中に仮処分債務者をしてその執行を免れるため、供託すべき金額を記載することができる。

従つてかような仮処分決定がなされた場合は、仮処分債務者は仮処分決定中に定められた金額を供託して、仮処分の執行の取消を求め得るし、裁判所もその取消をしなければならないものであつて、その裁判をするについて口頭弁論を命じた規定はないから、原審が口頭弁論を経ないで取消決定したことは違法でない。」

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