大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和27年(う)1362号 判決

〔抄 録〕

弁護人控訴趣意第一の(二)(被告人安西に関する分)について。

原判決によれば共栄丸は原判示一の昭和二十五年法律第百十七号による改正前の関税法第七十六条第一項所定の違反行為の用に供した船舶として同法第八十三条第一項により没収せられたものであつて、所論のように刑法第十九条第一項第二号、第二項により没収せられたものではないから、第三者たる内田初太郎の所有であつても犯人たる被告人安西等の占有に係る限り没収せらるべく、唯判決言渡当時犯人の占有に属することを要するを以て、進んで職権により調査するに、原判決は判決言渡当時共栄丸が被告人安西等の占有に属していた点につき特に言及せず、原判決挙示の証拠によるも右の点を認め難く、その他本件記録中にも之を認めるに足る確証がないのみでなく、右改正前の関税法第八十三条第二項所定の「犯人以外ノ者犯罪後前項ノ物ヲ取得シタル場合ニ於テ其ノ取得ノ当時善意ナリシコトヲ認ムル能ハサルトキハ其ノ物ヲ没収ス」とある場合に該当するかどうかも原判決自体からは之を知るに由なく、結局昭和二十五年法律第百十七号による改正前の関税法第八十三条第一項に該当するものとして被告人安西より共栄丸を没収した原判決は失当であつて、原判決中被告人安西に関する部分は破棄を免れない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!