東京高等裁判所 昭和27年(う)1574号 判決
N弁護人の被告人並木のための控訴趣意第一、二点及びM弁護人の同控訴趣意第二点について。
(前略)
原審が被告人並木允について存する前科として原判決の掲げている昭和二十三年十二月三十一日確定の銃砲等所持禁止令違反の罪についての裁判は、すでに、同二十六年十二月三十一日にその刑の執行猶予期間内である参年を経過し、その懲役六月の刑の言渡は、これが期間経過と共にその効力を失い、次いては、当該確定裁判は無かつたことになるものと言うことができ、従つて原判示第一の罪は確定裁判前に犯した罪とは言い得られないところであるから、これが罪と右確定裁判があつたとする銃砲等所持禁止令違反の罪とを刑法第四十五条後段所定の併合罪の関係ありとして同法第五十条を適用して処断したことは法令の適用を誤まるの過誤を冐したものと言うべく、且つこの過誤が原判決に影響を及ぼすべきこともまた洵に明らかであるから、原判示第一、第二及び第三の罪を単純な併合罪として、刑法第四十五条前段第四十七条本文、第十条に従い、前示説示するところの諸般の情状を勘案して改めて刑を量定しなければならない。所論は、原審が被告人並木允に対し、刑法第四十五条後段、第五十条を適用して処断した違法ありとする論旨において理由があり、原判決はこの点において同被告人に対する部分につき到底破棄を免れない。