大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)2125号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(判旨)

藥事法第二九条第一項本文に違反して所定の登録を経ないで医藥品の店舖における販売業又は配置販売業を営む所為は、単に販売行為が一回に止まる場合においても勿論成立するのであるけれども、元来かかる犯罪は、いわゆる営業犯と称せられるものに属し、通常はその業務の実体をなす違法な販売行為が多数回繰返され継続して行われることを常態としているのであつて、その場合においても犯罪行為は個々の販売の数に応ずる併合罪が成立するのではなく、全てを包括して一個の犯罪を構成するものと解するを相当とし、且つ数多の販売行為を包括して一罪を構成するような右法条違反の罪と各個の販売その他所定の所為の数に応じて犯罪が成立するものと解すべき同法第三二条第一項違反の罪とは行為竝に犯罪事実の性格、態様及び構成を異にしているので刑法第五四条第一項前後にいわゆる一個の行為とは到底解することはできないから原判決が原判示各所為に対し藥事法第二九条第一項を適用しこれらの併合罪として刑法第四五条前段を適用したものとすれば法律の適用を誤つたものというの外はない。仮にこの各所為を通じて包括一罪と解したとしても、原判示ペニシリンの販売について前記藥事法第二九条第一項、第三二条第一項違反の想像的競合犯であると解し刑法第五四条第一項前段を適用することは間違であり本件では同法条を適用すべき余地は全くないものといわなければならない。

(説明)

本判旨前半は〔三六〕事件と全く同趣旨であり特に述べる点もないが、後半については罪数論に関する可なり重要な点を含んでいる。刑法第五十四条第一項前段の「一個の行為」とは如何に理解すべきかが本件の問題である。この点に関する先例としては、銃劍不法所持と殺人(二六・二・二七最高裁第三小法廷二五(れ)第一五四四號事件判決・判例集第五卷三號四六六頁)・賭場開張と開張者自らの賭博(大正一二・四・六大審院一刑判決、大審院判例集第二卷刑三〇九頁)・無免許医業と業務上過失致死(大正一一・一〇・二四同一刑判決、同集第一卷刑五八五頁)を挙げておく、尤も反対説も存するところである。

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