大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(う)2330号 判決

O弁護人控訴趣意(一)、S弁護人H弁護人控訴理由一、について。

仍つて本件記録を精査し、原判決を検討するに、原審第十六回公判調書の記載によれば、当日の裁判所は、A、BCの三裁判官を以て構成され、S弁護人より弁論再開の申出があつて、再開決定が為され、裁判所の構成が変つたことを理由に審理の更新が行われ、次いでS、N、A、N各弁護人より被害者との和解調書の正本又は謄本の証拠調の請求があり、その証拠調が為された後、検察官及び各弁護人の意見並に被告人等の最終陳述が行われて結審となり、即日判決言渡があつたこと、洵に所論のとおりである。

果して然らば、原審における判決裁判所は、A、B、Cの三裁判官を以て構成されているのであつて、これが判決も亦右三裁判官により為さるべきであり、他の裁判官は当然該判決に関与することを得ない筋合である。然るに原判決書を精査すると、A、B、Dの三裁判官が署名押印してあつて、前記判決裁判所の構成員中のC裁判官の署名押印は存在せずして、これに代るにD裁判官の署名押印が存在するのである。これ明らかに、法令により審理に関与しない裁判官が判決に関与した違法があるものであつて此の違法は明らかに判決に影響を及ぼすものと謂うべく、この点の論旨はその理由があり原判決は到底破棄を免れない。

而して右論旨は被告人上田勇吉、同鈴木一雄、同藤浪一雄の各弁護人の主張するところであるが、右破棄の理由は共同被告人たる佐野勇、同青島修二に対しても共通するところであるから、刑事訴訟法第四百一条の適用上同人等のためにも原判決破棄を免れない筋合である。

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