大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和27年(う)2387号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(判旨)

起訴状は一度送達すれば足りるのである。訴因罰条が変更追加された後の起訴状の謄本までも送達すべきものであるとする根拠は何等存しないのである。もつとも訴因罰条の変更追加は原則として書面によつて為さるべきものであり、この場合にはその書面の謄本は被告人に送達しなければならないことは刑事訴訟規則第二〇九条第二、三項の規定するところであるけれども、一方被告人が在廷する公判廷においては口頭によつて訴因罰条の変更追加をすることを裁判所は許すことができるのであり、この場合には書面によらないのであるから謄本の送達は勿論ありえないところである。ところで、原審第五回公判調書の記載によれば検察官は別紙書面のとおり訴因罰条の変更追加がされた如くであるが、検察官は右書面を朗読したものでないことは右公判調書の記載自体によつて明かであり、且つ被告人は在廷しているのであるから、本件訴因罰条の変更追加は書面によらず、口頭によることを裁判所は許可した場合であると認めるべきものである。のみならず、右訴因罰条の変更追加について原審弁護人は異議なく同意をしているのである。しからば原審が右書面の謄本を送達しなかつたのは相当であり原審訴訟手続には所論のような違法は認められない。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!