東京高等裁判所 昭和27年(う)2685号 判決
被告人 ○島○男
弁護人控訴趣意第一点について
少年法第五〇条に少年に対する刑事々件の審理は同法第九条の趣旨に従つてこれを行わなければならないとあり、刑事訴訟規則第二七七条に少年事件の審理については懇切を旨とし、且つ事案の直相を明らかにするため、家庭裁判所の取り調べた証拠はつとめてこれを取り調べるようにしなければならないとあるのは、いずれも訓示規定であり、少年の刑事事件について此等の規定によることを強請するものではないと解するを相当とする。
而して本件においては原裁判所は此等の規定に従つて審理しなくても公平、真実なる裁判をなし得ると判断したことは記録上明白であり、而もその判断は相当であると認める。
従つて、原審が所論のような措置に出なかつたことを目して訴訟手続の法令に違背するものとなすを得ない。論旨は理由がない。